回復かいふく)” の例文
回復かいふくし、空中へとび上ったのだ、そして身体の震動が一定のはげしい震動数に達したとき、われわれの目にはもう見えなくなったのだ
宇宙戦隊 (新字新仮名) / 海野十三(著)
船の修繕には約三十日をついやしたが、そのあいだにドノバンは、しだいに健康を回復かいふくして、つえにすがりながら一同の工事を見まわるようになった。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
おばあさんのおとうさんも、しんせつに介抱かいほうしてやった一人ひとりであります。外国人がいこくじんは、やっと元気げんき回復かいふくしました。
青いランプ (新字新仮名) / 小川未明(著)
主人は花前が近来きんらい変化へんかのありのままをかたったのち、今後こんごあるいは意外いがい回復かいふくをみるかもしれぬと注意した。
(新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
わたしはいつまでも温室のフレームばかりには使われていなかった、元気が回復かいふくしてきたし、自分もなにか地の上にまいてみるということに満足まんぞくを感じてきた。
だが、星野ほしの元来がんらい、よわい打者ではなかった。当たれば、そうとうな大ものをかっばすほうだった。だから、かれは、この三回めの打撃だげきで、名誉めいよ回復かいふくしようと、ひそかにはりきっていたのだ。
星野くんの二塁打 (新字新仮名) / 吉田甲子太郎(著)
それを見ると、かれはふしぎに元気げんき回復かいふくするのでした。
清造と沼 (新字新仮名) / 宮島資夫(著)
そうするうちわたくし意識いしきすこしづつ回復かいふくしてまいりました。
いや、大した負傷ではありませんが、なにぶんにも意識が回復かいふくしません。こんこんとねむっているかと思うと、ときどき大きいこえでうわごとをいうのです。よほどここの所を
四次元漂流 (新字新仮名) / 海野十三(著)
そのうえわたしはもうまったくうしなったと思ったものを回復かいふくした。それは家族の生活であった。わたしはもうひとりぼっちではなかった。世の中にてられた子どもではなかった。
しかし、いかにやさしい、信仰深しんこうぶかいおかあさんでも、つかれれば、しぜんと眠気ねむけもよおし、ねむることによって、気力きりょく回復かいふくする、わかい、健康けんこう肉体にくたいぬしたることにわりはありません。
雲と子守歌 (新字新仮名) / 小川未明(著)
富士男はやっとつかれから回復かいふくしていった。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
そしてそれはわたしがかの女の所に来て、いつも歌いれたナポリ小唄こうたを歌うのを聞いて、はげしい感動を起こしたしゅんかんに、かの女がその声を回復かいふくしたことがわかった。
つかれを回復かいふくした旅人たびびとは、あたらしい元気げんきいさんで、まちをさしていそぎました。
曠野 (新字新仮名) / 小川未明(著)
それには病気が長びくだろうから、いまのうち物を習う習慣しゅうかんをつけておいて、いつか回復かいふくしたとき、むだになった時間を取り返すことができるようにしたいと考えたのであった。