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哀悼
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あいとう
ふりがな文庫
“
哀悼
(
あいとう
)” の例文
これも木村大尉その人とは毎日同じ避暑地からこの学校の所在地へ汽車の往復を共にしていたため、素直に
哀悼
(
あいとう
)
の情を表することが出来た。
文章
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
ですからその後女王がお
崩
(
かく
)
れになったということがチベットに伝わるや、チベット国民は大いに
哀悼
(
あいとう
)
の情を表すると同時に
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
と、七日間の政務の停止を告げ、宴遊
鳴物
(
なりもの
)
は申すにおよばず、公私とも、一切を謹んで
哀悼
(
あいとう
)
すべし、ともつけ加えた。
私本太平記:13 黒白帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
が、その
裡
(
うち
)
に、衆僧が一斉に始めた
読経
(
どきょう
)
の朗々たる声は、皆の心持を死者に対する
敬虔
(
けいけん
)
な
哀悼
(
あいとう
)
に引き
統
(
す
)
べてしまった。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
旅人の妻の死を
哀悼
(
あいとう
)
したという説に従ったが、これは、憶良の妻の死を、憶良が直接悼んでいるのだと解釈する説があり、岸本
由豆流
(
ゆずる
)
の万葉集
攷證
(
こうしょう
)
にも
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
▼ もっと見る
私はたった一人山へ行って、父母の墓の前に
跪
(
ひざまず
)
きました。
半
(
なかば
)
は
哀悼
(
あいとう
)
の意味、半は感謝の心持で跪いたのです。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
その後
間
(
ま
)
もなく、ちやうど三
浦
(
うら
)
三
崎
(
さき
)
の
宿屋
(
やどや
)
に
滯在
(
たいざい
)
中に訃音に
接
(
せつ
)
した時、
私
(
わたし
)
はまだあまりにまざまざしいその
折
(
をり
)
の
印象
(
いんせう
)
を
思
(
おも
)
ひ出させられるだけに、
哀悼
(
あいとう
)
の
氣
(
き
)
持も一そう
痛切
(
つうせつ
)
だつた。
文壇球突物語
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
哀悼
(
あいとう
)
愁傷、号泣慟哭、一
枝
(
し
)
の花に涙を
灑
(
そそ
)
ぎ、一
縷
(
る
)
の香に
魂
(
こん
)
を招く、これ必ずしも先人に奉ずるの道にあらざるべし。五尺の男子、空しく児女の
啼
(
てい
)
を
為
(
な
)
すとも、父の霊
豈
(
あに
)
懌
(
よろこ
)
び給わんや。
父の墓
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「冬近し」という切迫した語調に始まるこの句の影には、芭蕉に対する無限の思慕と
哀悼
(
あいとう
)
の情が含まれており、同時にまた芭蕉庵の
物寂
(
ものさ
)
びた風情が、よく景象的に描き
尽
(
つく
)
されている。
郷愁の詩人 与謝蕪村
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
その日各新聞の朝刊は、筆を揃えて、名探偵
哀悼
(
あいとう
)
の記事を掲げた。A新聞は
曰
(
いわ
)
く
魔術師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
さっそく呼ばれて来たベイツ医師が、細かく首を振って
哀悼
(
あいとう
)
の意を表しながら、「ロイドのために」死亡証明のペンを走らせた。自己の過失による浴槽内の溺死の例が、また一つ
殖
(
ふ
)
えた。
浴槽の花嫁
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
その結果が、お銀様を「長安古意」のたんのう者としたのみでなく、その作者であるところの盧照鄰という
古
(
いにし
)
えの薄倖なる詩人に対して、同情と
哀悼
(
あいとう
)
の心をさえ起さしめたのであります。
大菩薩峠:36 新月の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
今日望みうる定家全歌集としてこれ以上のものはしばらく手に入れる事は出来がたいであろう。ついでながら冷泉為臣氏はその後戦争の犠牲となられた。つつしんで
哀悼
(
あいとう
)
の意をささげたい。
中世の文学伝統
(新字新仮名)
/
風巻景次郎
(著)
町内の人が国旗を出して欲しいと云うので、国旗を買いに行くやらして、ひっそりと同じ町内の御不幸を
哀悼
(
あいとう
)
していたのに、武藤邸の近くで磯節か何かのラヂオが鳴っているのには
愕
(
おどろ
)
いてしまった。
落合町山川記
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
同男の死を耳にした時、
哀悼
(
あいとう
)
の念に堪えませんでした。
沖縄の思い出
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
「今日から七日の間、幕府の
雑訴
(
ざっそ
)
(政務)を
停止
(
ちょうじ
)
しよう。すべて、つつしんで
喪
(
も
)
に服し、深く
哀悼
(
あいとう
)
の意を表せ」
私本太平記:13 黒白帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
今日にでも夫人を訪ねれば、夫人は屹度、死んだ青年に対する
哀悼
(
あいとう
)
の涙を浮べながら、あの時計を受取って呉れるに
違
(
ちがい
)
ない。そして、自分と青年との不思議な因縁に、感激の言葉を発するに違ない。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
徐州は
喪
(
も
)
を発した。城下の民も城士もみな喪服を着け、
哀悼
(
あいとう
)
のうちに籠った。そして葬儀が終ると、玄徳は小沛へ帰ったが、すぐ糜竺、陳登などが代表して、彼を訪れ
三国志:03 群星の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
哀
常用漢字
中学
部首:⼝
9画
悼
常用漢字
中学
部首:⼼
11画
“哀悼”で始まる語句
哀悼歌
哀悼歌章