周囲しうゐ)” の例文
旧字:周圍
いや、笑事わらひごとではない。しばらくして——ひがしうみかぎり、きた野辺地のへぢいたるまで、東西とうざい南北なんぼく十三周囲しうゐ十六
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
あそんでツてよ。」と周囲しうゐ人込ひとごみはゞかり、道子みちこをとこうでをシヤツのそでと一しよに引張ひつぱり、欄干らんかんから車道しやだうやゝ薄暗うすぐらはうへとあゆみながら、すつかりあまえた調子てうしになり
吾妻橋 (新字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)
どうしてこの明るい家の中に、こんなくらさがあるのだらうとかんがへた。北側きたがはに一れんかべがあるこれだ。——しかし、私は間もなく周囲しうゐの庭にみだれてゐるとりどりのはないろまよひ出した。
美しい家 (新字旧仮名) / 横光利一(著)
もつとも、ついごろ飛行機ひかうきで、八けいうち上高地かみかうちそらんだとふから、ふねつても、はねえて、ひら/\と、周囲しうゐ十五みづうみうへたかびさうでならなかつた。
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
その中に大きな百合が家の周囲しうゐ馥郁ふくいくとにほひ出した。
美しい家 (新字旧仮名) / 横光利一(著)
私とつまとはいきなりその家の周囲しうゐをぐる/\まはつた。
美しい家 (新字旧仮名) / 横光利一(著)