各々めい/\)” の例文
翌日は、各々めい/\自分の家に訪ねて來るものと思つて、氣早の老人などは、花茣蓙はなござを押入から出して爐邊に布いて、澁茶を一掴み隣家から貰つて來た。
天鵞絨 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
此帝都このていとを去りて絶海無人ぜつかいむじんたうをさして去りぬ、さかんなるさまを目撃したる数萬すうまんの人、各々めい/\が思ふ事々こと/″\につき、いかに興奮感起こうふんかんきしたる、ことに少壮せうさうの人の頭脳づなうには
隅田の春 (新字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
其處そこちまして、手前てまへ了簡れうけんで、なんと、今年ことしひとつ、おもむきをかへて、おさけ頂戴ちやうだいしながら、各々めい/\國々くに/″\はなし土地とちところ物語ものがたりふのをしめやかにしようではあるまいか。
片しぐれ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
裏に白羽二重しろはぶたえのきれを縫いつけて、それへ各々めい/\の朱印を附けて有るのですが、たれのだか分りません
廻り大石殿より家々いへ/\片付かたづけ金使かねつかひに命ぜられたれども不足の時は各々より二十三十づつ借請かりうけやうにと申されたりと云て各々めい/\より請取うけとり其外そのほか衣類いるゐ夜具迄やぐまでも所々にて借入何處いづくともなく迯亡にげうせけりこれ福貴ふくきなりともひと百年の壽命は保ち難しかはらとなりてたもたんより玉となりてくだけよとはむべなる哉大石とともに死しなば美名は萬世に殘るべきを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ト、八戸君も小松君も、卓子テーブルから離れて各々めい/\自分の椅子を引ずつて煖爐ストーブ周邊あたりに集る。
菊池君 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
其處そこちまして、手前てまへ了簡れうけんで、なんと、今年ことしひとおもむきをかへておさけ頂戴ちやうだいしながら、各々めい/\國々くに/″\はなし土地とちところ物語ものがたりふのを、しめやかにしようではあるまいかと申出まをしでましたところ部屋頭へやがしらだいばん
二た面 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)