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取沙汰
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とりざた
ふりがな文庫
“
取沙汰
(
とりざた
)” の例文
大力
(
だいりき
)
の遠山權六は忠義無二との
取沙汰
(
とりざた
)
にて百石の御加増に相成りましたという。お芽出たいお話でございますが、長物語で
嘸
(
さぞ
)
御退屈。
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
おれは
飄然
(
ひょうぜん
)
と日本から影を消し、徳川万太郎は失意の結果、身を隠したのだろうと人の
取沙汰
(
とりざた
)
する時分に、羅馬王朝の貴族となり
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「村方の者共、天一坊のことを、いろいろと
取沙汰
(
とりざた
)
致しておるが、並の噂とは、ことかわり、
迂闊
(
うかつ
)
に、宝沢が天一坊などと申すと、
咎
(
とが
)
めに遭うぞ」
大岡越前の独立
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
あぐらをかいたような鼻と
獅子噛
(
ししが
)
んだ厚い唇からくるので、内実は、臆病なほど気が優しいのだと
取沙汰
(
とりざた
)
されている。
キャラコさん:01 社交室
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
それだけでなく、自分が大佐と結婚したのは
自棄半分
(
パル・デピ
)
だという世間の
取沙汰
(
とりざた
)
をそのまま信じているにちがいない。
大ヴォローヂャと小ヴォローヂャ
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
▼ もっと見る
下々の手前達が
兎
(
と
)
や
角
(
かく
)
と御政事向の事を
取沙汰
(
とりざた
)
致すわけでは御座いませんが、先生、昔から
唐土
(
もろこし
)
の世には天下太平の
兆
(
しるし
)
には
綺麗
(
きれい
)
な
鳳凰
(
ほうおう
)
とかいう鳥が
舞
(
ま
)
い
下
(
さが
)
ると申します。
三月三十日
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
下々の手前たちがとやかくと御政事
向
(
むき
)
の事を
取沙汰
(
とりざた
)
致すわけでは御座いませんが、先生、昔から
唐土
(
もろこし
)
の世には天下太平の
兆
(
しるし
)
には
綺麗
(
きれい
)
な
鳳凰
(
ほうおう
)
とかいう鳥が
舞下
(
まいさが
)
ると申します。
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
徳川を倒して、第二の幕府を作るものは薩摩だと、あの
隠亡
(
おんぼう
)
らまでが
取沙汰
(
とりざた
)
している。薩摩でなければ長州だと、相場がきまったようなことを、あいつらまで言っている。
大菩薩峠:38 農奴の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
しかし、たゞ宗右衛門が少し気がふれたと
取沙汰
(
とりざた
)
する者は多かつた。宗右衛門は三日に一度くらゐ帰つて来て、それもほんの屋敷の一部をぼんやり見廻はつて来るに過ぎなかつた。
老主の一時期
(新字旧仮名)
/
岡本かの子
(著)
四谷
(
よつや
)
で生れていまもあの辺に住んでいる女から、お鯉の生家は、いま
三河屋
(
みかわや
)
という牛肉屋のある
向角
(
むこうかど
)
であったということを聞いたことがあったので、さまざまに
取沙汰
(
とりざた
)
されている
一世お鯉
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
蝶子は柳吉をしっかりした
頼
(
たの
)
もしい男だと思い、そのように
言
(
い
)
い
触
(
ふ
)
らしたが、そのため、その仲は彼女の方からのぼせて行ったといわれてもかえす言葉はないはずだと、人々は
取沙汰
(
とりざた
)
した。
夫婦善哉
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
徒然
(
つれ/″\
)
な舟の中は人々の雑談で持切つた。
就中
(
わけても
)
、高柳と一緒になつた坊主、茶にしたやうな口軽な調子で、柄に無い政事上の
取沙汰
(
とりざた
)
、
酢
(
す
)
の
菎蒻
(
こんにやく
)
のとやり出したので、聞く人は皆な笑ひ憎んだ。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
築地
(
つきぢ
)
二丁目の待合「浪の家」の帳場には、
女将
(
ぢよしやう
)
お才の
大丸髷
(
おほまるまげ
)
、頭上に
爛
(
きら
)
めく電燈目掛けて
煙草
(
たばこ
)
一と吹き、
長
(
とこしな
)
へに
嘯
(
うそぶ
)
きつゝ「議会の解散、戦争の
取沙汰
(
とりざた
)
、此の
歳暮
(
くれ
)
をマア
何
(
ど
)
うしろツて言ふんだねエ」
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
世の
取沙汰
(
とりざた
)
ほどに早いものはない。
雪の宿り
(新字新仮名)
/
神西清
(著)
いろいろの
取沙汰
(
とりざた
)
がありました。
イエス伝:マルコ伝による
(新字新仮名)
/
矢内原忠雄
(著)
いやはや、目前に見る孔明と、かねて耳に聞いていた孔明とは、大きなちがいである。用兵神変、孫子以来の人だなどと、
取沙汰
(
とりざた
)
されておるが、あの陣容とあの兵気は何事か。
芥
(
あくた
)
の山を
三国志:09 図南の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
血も涙もない殺人鬼の如く
取沙汰
(
とりざた
)
するやからは何者だ、たとえ反対側に立つの浪士共といえども、彼を知っている者である限り、彼の心情を諒とせざるはない、彼の刀剣を怖るることを知って
大菩薩峠:40 山科の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
伝役
(
もりやく
)
萩之進らとかたらって、たまたま通りあわした
野伏乞食
(
のぶせりこつじき
)
の子が源次郎さまに
生写
(
いきうつ
)
しなのをさいわい、金をあたえて買いとり、偽の主君をつくりあげ、なにくわぬ顔で帰城したのだという
取沙汰
(
とりざた
)
。
顎十郎捕物帳:10 野伏大名
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
世の
取沙汰
(
とりざた
)
ほどに早いものはない。
雪の宿り
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
驕奢
(
きょうしゃ
)
のかぎりをつくして江戸中の
取沙汰
(
とりざた
)
になった。
鈴木主水
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
取
常用漢字
小3
部首:⼜
8画
沙
常用漢字
中学
部首:⽔
7画
汰
常用漢字
中学
部首:⽔
7画
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