十錢じつせん)” の例文
新字:十銭
のまゝだと、もう一音信いちおんしん料金れうきんを、とふのであつた。たしか、市内しない一音信いちおんしんきん五錢ごせんで、局待きよくまちぶんともで、わたし十錢じつせんよりあづかつてなかつた。
春着 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
くと三圓九十錢さんゑんきうじつせんで、まあ、それはせんのよりはやすい。が、此奴こいつきなり女房かみさんは、十錢じつせん値切ねぎつて、三圓八十錢さんゑんはちじつせんにおけなさいとつたんです。
廓そだち (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
十錢じつせんのを二包ふたつゝみ二包ふたつゝみですよ——いかい。それから、十五錢じふごせんのを一包ひとつゝみみないたのをね。」
松の葉 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
(すきなおかた相乘人力車あひのりじんりきしやくらいとこいてくれ、車夫くるまやさん十錢じつせんはずむ、かはすかほに、そのが、おつだね)——流行唄はやりうたさへあつた。おつだねぶし名題なだいをあげたほどである。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
道具屋だうぐや女房かみさんは、十錢じつせん値切ねぎつたのをしやくさはらせたのにちがひない。」
廓そだち (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
それからまたべつとき手水鉢てうづばちわきく、手拭入てぬぐひいれをひにつて、それをまた十錢じつせん値切ねぎつたといふはなしがありますが、それはまあ節略せつりやくして——なんでも値切ねぎるのは十錢じつせんづゝ値切ねぎるものだと女房かみさんおもつてる。
廓そだち (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
二十錢にじつせんのをひとツ、十五錢じふごせんのと、十錢じつせんのと都合つがふ三包みつゝみだよ。」
松の葉 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)