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勳功
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くんこう
〔評〕南洲、
顯職に居り
勳功を
負ふと雖、身極めて
質素なり。朝廷
賜ふ所の
賞典二千石は、
悉く私學校の
費に
充つ。
貧困なる者あれば、
嚢を
傾けて之を
賑ふ。
されば
櫻木大佐が
再び
日本へ
皈つたものとすれば、
其勳功は
日月よりも
明かに
輝きて、
如何に
私が
旅から
旅へと
經廻つて
居るにしても
其風聞の
耳に
達せぬ
事はあるまい
轟かし
末世奉行の
鑑と成たる
明斷に
因て忠相ぬしが
履歴とその
勳功の
大略とを豫て傳へ
聞異説天一
坊さへ
書記して
看客の
覽に
供ふるなれば看客此一回を
熟讀して忠相ぬしが人と成り
腹にを
遣はさるべくは
遣はしたけれど、
七萬石の
先祖が
勳功に
對し、
皇室の
藩屏といふ
名に
對し、
此こと
許はなし
難きに
表立ちては
姫も
邸に
置がたけれど、
我れには
一人の
妹、ことに
兩親老後の
子にて