“八(やっ)” の例文
「ちょっとおたずねですがな、お昼すぎごろに、七(なな)八(やっ)つぐらいの子どもらが十人ほど通ったのを、見ませなんだかいな」
二十四の瞳 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
半「彼奴(あいつ)も縛るのよそれから台所に出刄庖丁か何か有るだろう、其奴(そいつ)を持ってさア八(やっ)つにするぞと云って」
何でも天地開闢(かいびゃく)の頃(ころ)おい、伊弉諾(いざなぎ)の尊(みこと)は黄最津平阪(よもつひらさか)に八(やっ)つの雷(いかずち)を却(しりぞ)けるため、桃の実(み)を礫(つぶて)に打ったという、——その神代(かみよ)の桃の実はこの木の枝になっていたのである。
桃太郎 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
父親はこの頃(ごろ)為吉が妙にふさいでばかりいるのが合点(がてん)がいかないのでした。為吉はまだ八(やっ)つでしたが、非常に頭のよい賢こい子で、何かにつけて大人(おとな)のような考(かんがえ)を持っていました。
少年と海 (新字新仮名) / 加能作次郎(著)
町家(ちょうか)の内儀(ないぎ)らしい丸髷(まるまげ)の女が七(なな)、八(やっ)ツになる娘の手を引いて門の内(なか)へ這入(はい)って行った。
すみだ川 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
あんこくじには、七(なな)つ 八(やっ)つ ぐらいの こぞうが 十にんばかりも いました。一休(いっきゅう)さんは そのなかで いちばん としした でしたが、いちばん りこうで、とんちが ありました。
一休さん (新字新仮名) / 五十公野清一(著)
川は三(みっ)つの瀬を一つに、どんよりと落合(おちあ)つて、八葉潟(やつばがた)の波は、なだらかながら、八(やっ)つに打つ……星の洲(す)を埋(うず)んだ銀河が流れて漂渺(ひょうびょう)たる月界に入(い)らんとする、恰(あたか)も潟(かた)へ出口の処(ところ)で、その一陣の風に
光籃 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
「家継公(いえつぐこう)様は、まだたったお八(やっ)ツ、無論、お世嗣(よつぎ)はねえわけだ」
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)