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兩
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れう
尤も、負けても
實はおごつて
頂く方が
多かつたがどういふのかこの
師弟の
勝負はとかくだれ
勝ちで、
仕舞ひには
兩方
共憂鬱になつて
振むけての
面を
見れば
出額の
獅子鼻、
反齒の三五
郎といふ
仇名おもふべし、
色は
論なく
黒きに
感心なは
目つき
何處までもおどけて
兩の
頬に
笑くぼの
愛敬、
目かくしの
福笑ひに
見るやうな
眉のつき
方も
名人
决定
戰の金、花田
兩八
段の
對局、相踵いで大崎、木見
兩八
段の
對局を
觀戰して、
僕は
專門
的な
棋戰の如何に
苦しく辛きものであるかをつくづく
思ひやつた。
豐島さんの
至極落ち着いた瞑
想家
的の
突き
振り、里見さんは持
點はたしか四十
點で、まあ十
兩つけ出しといつた
格だが、時々
實に鋭い、
實にこまかい
球の
取り方を見せる。