づき)” の例文
我軍の攻撃にって防戦したのであろうが、味方は名に負う猪武者いのししむしゃ英吉利イギリス仕込しこみのパテントづきのピーボヂーにもマルチニーにもびくともせず、前へ前へと進むから
今、血相をかえて、城太郎へ向って、背すじを立てている家臣が、即ちその太郎づきの侍なのであろう。
宮本武蔵:03 水の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
やれ懐かしかったと喜び、水はぬるみ下草はえた、たかはまだ出ぬか、雉子きじはどうだと、つい若鮎わかあゆうわさにまで先走りて若い者はこまと共に元気づきて来る中に、さりとてはあるまじきふさよう
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
時に歌舞伎座作者部屋には榎本氏を除きて四人の作者あり。竹柴七造竹柴清吉たけしばせいきち黙阿弥もくあみ翁の直弟子じきでしにて一は成田屋づき一は音羽屋付の狂言方きょうげんかたとておも団菊だんきく両優の狂言幕明まくあき幕切まくぎれを受持つなり。
書かでもの記 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
て成程此品は私しの煙草入に相違御座なく候へども是は去月すゑ隣村りんそんへ用事有てあさの内まゐりし途中にて落せしにより其節心づき四五町引返して相尋あひたづねしと雖も一かう見當り申さずしかし餘ほど持古もちふるし候品と申別段用向の書付も入置ませぬゆゑ其まゝに打捨置候處如何いかゞ仕つりてか其邊そのへんにと言せもはてず半左衞門殿コリヤ其煙草入の中には
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「南町奉行づき与力よりき中西弥惣兵衛なかにしやそべえでございます」
鳴門秘帖:06 鳴門の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)