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今一
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いまひと
今一つ、
私は松島
海軍大佐なる
姓名を
耳にして、
忽ち
小膝をポンと
叩いたよ。
讀者諸君!
松島海軍大佐とは
誰であらう?
今一つ、
古今集の
名高い
歌をあげて、
評判と
實際とはこれ
程違ふといふことを
證明して
見たいとおもひます。
先づ
頂上から
絶えず
噴き
出す
蒸氣や
火山灰によつて
直ぐにそれがヴェスヴィオなることが
氣づかれるが、それと
同時に
今一つ
左方に
竝立して
見える
尖つた
山を
見落してはならぬ。
今一つ
大きい
石で
造つたものに
石机、すなはちどるめんといふのがあります。それは
少しひらたい
石を
三方に
立て、その
上にやはりひらたい
大石をのせた
一見てーぶるの
形をしたものであります。
かくして
最初の
一分間を
凌ぎ
得たならば、
最早不安に
思ふべき
何物も
殘さないはずであるが、
唯これに
今一つ
解説して
置く
必要のあるものは、
地割れに
對して
誤れる
恐怖心である。