今一いまひと)” の例文
今一いまひとつ、わたくしは松島海軍大佐かいぐんたいさなる姓名せいめいみゝにして、たちま小膝こひざをポンとたゝいたよ。讀者どくしや諸君しよくん! 松島海軍大佐まつしまかいぐんたいさとはたれであらう?
今一いまひとつ、古今集こきんしゆう名高なだかうたをあげて、評判ひようばん實際じつさいとはこれほどちがふといふことを證明しようめいしてたいとおもひます。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
頂上ちようじようからえず蒸氣じようき火山灰かざんばひによつてぐにそれがヴェスヴィオなることがづかれるが、それと同時どうじ今一いまひと左方さほう竝立へいりつしてえるとがつたやま見落みおとしてはならぬ。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
今一いまひとおほきいいしつくつたものに石机いしづくゑ、すなはちどるめんといふのがあります。それはすこしひらたいいし三方さんぽうて、そのうへにやはりひらたい大石おほいしをのせた一見いつけんてーぶるのかたちをしたものであります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
かくして最初さいしよ一分間いつぷんかんしのたならば、最早もはや不安ふあんおもふべき何物なにもののこさないはずであるが、たゞこれに今一いまひと解説かいせつして必要ひつようのあるものは、地割ぢわれにたいしてあやまれる恐怖心きようふしんである。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)