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ふりがな文庫
“
丸善
(
まるぜん
)” の例文
私は半日を
丸善
(
まるぜん
)
の二階で
潰
(
つぶ
)
す覚悟でいた。私は自分に関係の深い部門の書籍棚の前に立って、隅から隅まで一冊ずつ点検して行った。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
ソンナものを写すのは馬鹿馬鹿しい、近日
丸善
(
まるぜん
)
から出版されるというと、そうか、イイ事を聞いた、
無駄骨折
(
むだぼねおり
)
をせずとも済んだといった。
鴎外博士の追憶
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
少なくとも「復活」だけは
丸善
(
まるぜん
)
からでも取り寄せて読んでいただきたい、あなたを啓発する事が必ず多いのは請け合いますから。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
生活がまだ蝕まれてゐなかつた以前私の好きであつた所は、例へば
丸善
(
まるぜん
)
であつた。赤や黄のオードコロンやオードキニン。
檸檬
(旧字旧仮名)
/
梶井基次郎
(著)
ところが、昨年の夏であったか、ある日
丸善
(
まるぜん
)
の二階であてもなくエヴリーマンス・ライブラリーをあさっているうちに
ルクレチウスと科学
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
▼ もっと見る
その
中
(
なか
)
でも、
父
(
とう
)
さんに
連
(
つ
)
れられて
震災前
(
しんさいまえ
)
の
丸善
(
まるぜん
)
へ
行
(
い
)
った
時
(
とき
)
に
買
(
か
)
って
貰
(
もら
)
って
来
(
き
)
た
人形
(
にんぎょう
)
は、
一番
(
いちばん
)
長
(
なが
)
くあった。
伸び支度
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
現在の
丸善
(
まるぜん
)
の仕事が昔はどういうふうに行なわれたかを見るために、ここに『東征伝』を抄録する。——
古寺巡礼
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
ところが電車に乗っている
間
(
あいだ
)
に、また気が変ったから今度は
須田町
(
すだちょう
)
で乗換えて、
丸善
(
まるぜん
)
へ行った。行って見ると
狆
(
ちん
)
を引張った妙な異人の女が、ジェコブの小説はないかと云って、探している。
田端日記
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
何處をどう歩いたのだらう、私が最後に立つたのは
丸善
(
まるぜん
)
の前だつた。平常あんなに避けてゐた丸善が其の時の私には
易
(
やす
)
々と入れるやうに思へた。
檸檬
(旧字旧仮名)
/
梶井基次郎
(著)
父
(
とう
)
さんは、
袖子
(
そでこ
)
のために
人形
(
にんぎょう
)
までも
自分
(
じぶん
)
で
見立
(
みた
)
て、
同
(
おな
)
じ
丸善
(
まるぜん
)
の二
階
(
かい
)
にあった
独逸
(
ドイツ
)
出来
(
でき
)
の
人形
(
にんぎょう
)
の
中
(
なか
)
でも
自分
(
じぶん
)
の
気
(
き
)
に
入
(
い
)
ったようなものを
求
(
もと
)
めて、それを
袖子
(
そでこ
)
にあてがった。
伸び支度
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
オリジナルは児童用の粗末な
藁紙
(
わらがみ
)
ノートブックに当時
丸善
(
まるぜん
)
で売っていた舶来の青黒インキで書いたものだそうであるが、それが変色してセピアがかった墨色になっている。
小泉八雲秘稿画本「妖魔詩話」
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
かつ、この小説は露西亜の近代の最大傑作で、何でもこの頃
丸善
(
まるぜん
)
へ英訳が来ているそうだといった。その翌日、私は早速丸善へ行って、果して一冊あったのを直ぐ買取った。
硯友社の勃興と道程:――尾崎紅葉――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
「学者ぢやないけれど、金どんはあんまり
生物識
(
なまものしり
)
を振まはすから、
丸善
(
まるぜん
)
ぢや学者つて
綽名
(
あだな
)
がついてゐるんだよ。だから警察でも大学教授や何かの同類だと思つて、生埋めにしてしまつたのさ。」
饒舌
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
子供の時分から「
丸善
(
まるぜん
)
」という名前は一種特別な余韻をもって自分の耳に響いたものである。
丸善と三越
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
あれは
独逸
(
ドイツ
)
の
方
(
ほう
)
から
新荷
(
しんに
)
が
着
(
つ
)
いたばかりだという
種々
(
いろいろ
)
な
玩具
(
おもちゃ
)
と
一緒
(
いっしょ
)
に、あの
丸善
(
まるぜん
)
の二
階
(
かい
)
に
並
(
なら
)
べてあったもので、
異国
(
いこく
)
の
子供
(
こども
)
の
風俗
(
なり
)
ながらに
愛
(
あい
)
らしく、
格安
(
かくやす
)
で、しかも
丈夫
(
じょうぶ
)
に
出来
(
でき
)
ていた。
伸び支度
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「あれは
丸善
(
まるぜん
)
の
金
(
きん
)
どんのお
母
(
つか
)
さんだよ。」
饒舌
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
偶然
丸善
(
まるぜん
)
から取り寄せた「近世美術」を見たら、その中にロージャー・フライという人がこの花を主題にして描いた水彩があったのでそれがわかった。この絵に付した解説にこんな事が書いてある。
病室の花
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
丸
常用漢字
小2
部首:⼂
3画
善
常用漢字
小6
部首:⼝
12画
“丸”で始まる語句
丸
丸髷
丸太
丸薬
丸裸体
丸行燈
丸木橋
丸潰
丸山
丸切