不自然ふしぜん)” の例文
ちょっとかんがへても、時代じだいあたらしくなるほど、うたがわからなくなるといふような、不自然ふしぜん事實じじつを、あなたがたはまともに、うけれますか。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
しかすべてに共通けうつうした手法しゆはふ方針はうしんは、由來ゆらい化物ばけもの形態けいたいには何等なんら不自然ふしぜん箇所かしよがある。それを藝術げいじゆつちから自然しぜんくわさうとするのが大體だい/\方針はうしんらしい。
妖怪研究 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
わたしは、とりすましたこうにも、また、陰気いんきえるへいにも、どこか不自然ふしぜんなところがあるのをかんじました。ひとり、いろくろおつだけは正直しょうじきで、明朗めいろうがしました。
ひとをたのまず (新字新仮名) / 小川未明(著)
しかしながら日本にほん大正たいしやうねんから今日こんにちまで十二三年間ねんかん不自然ふしぜん經濟界けいざいかいれてるのであるから、今日こんにち巨額きよがく金貨きんくわ内地ないちから積出つみだされ、さうして通貨つうくわ急激きふげき減少げんせうするやうになれば
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
ある唐物屋たうぶつやうちからは、私のきらひなものゝ一つである蓄音機ちくおんき浪花節なにはぶしが、いやに不自然ふしぜんこゑを出して人足ひとあしをとめようとしてゐましたが、たれもちよいとりかへつたまゝでそゝくさ行き過ぎるのが
冬を迎へようとして (旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
それにもかゝはらず、神武天皇じんむてんのう時分じぶんに、ちゃんとあゝいふ調とゝのつた、景色けしきうたがあるといふことは、どうしても、不自然ふしぜんなようにかんがへられます。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)