不服ふふく)” の例文
わたくし内心ないしん不服ふふくでたまりませんでしたが、もともと良人おっと見立みたててくれたうまではあるし、とうとう『若月わかつき』とぶことになってしまいました。
それは親兄弟、妻子さいし朋友ほうゆうのごときはもちろん敵ではないが、彼らが我々の心にふくさぬことがあれば、その不服ふふくの範囲において敵のごときものである。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
その日の夕飯時に、ゴルドンは富士男、モコウ、次郎を遠征に派遣はけんするむねを一同に語った。一同はことごとく賛成したが、ひとりドノバンは不服ふふくをいいだした。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
すると権助ごんすけ不服ふふくそうに、千草ちくさ股引ももひきの膝をすすめながら、こんな理窟りくつを云い出しました。
仙人 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
なに不服ふふくいふせきはねえな」勘次かんじすこ安心あんしんしたらしく、かるくいひ退けた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
たい日本にほんけんよりちひさいものにぐんけてゐるのは不都合ふつがふだと、吉田東伍よしだとうごさんなんぞは不服ふふくとなへてゐる。りよはたして台州たいしう主簿しゆぼであつたとすると日本にほん府縣知事ふけんちじくらゐ官吏くわんりである。
寒山拾得 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
房枝は、不服ふふくそうにいった。
爆薬の花籠 (新字新仮名) / 海野十三(著)