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下腹
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したばら
ふりがな文庫
“
下腹
(
したばら
)” の例文
……
何
(
なん
)
と、
其
(
そ
)
の
兩足
(
りやうあし
)
から、
下腹
(
したばら
)
へ
掛
(
か
)
けて、
棕櫚
(
しゆろ
)
の
毛
(
け
)
の
蚤
(
のみ
)
が、うよ/\ぞろ/\……
赤蟻
(
あかあり
)
の
列
(
れつ
)
を
造
(
つく
)
つてる……
私
(
わたし
)
は
立窘
(
たちすく
)
みました。
人魚の祠
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
私の
下腹
(
したばら
)
には力がはいって来た。私の足の爪先は、静かに、伸び屈みしつつ進んで行った。それと共に、岩に擦りつけていた腹もいざって行った。
烏帽子岳の頂上
(新字新仮名)
/
窪田空穂
(著)
博士は、身ぶるいしながら、
鍋
(
なべ
)
のお尻のように張り切ったる
下腹
(
したばら
)
をおさえる。客は、そんなことには
駭
(
おどろ
)
く様子もなく
不沈軍艦の見本:――金博士シリーズ・10――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
肉屋もこれまで見たこともないきたならしい犬でした。骨ぐみは小さくもありませんが、どうしたのか、ひどくやせほそって、
下腹
(
したばら
)
の皮もだらりとしなび
下
(
さが
)
っています。
やどなし犬
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
成程乳房のだらりと垂れた工合から、
下腹
(
したばら
)
のだらしなさ加減が、誰の眼にも子福者とは直ぐ判る。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
▼ もっと見る
金博士が暁の
寒冷
(
かんれい
)
にはち切れそうなる
下腹
(
したばら
)
をおさえて化粧室にとびこんだとたん、扉の蔭に
隠忍待
(
いんにんま
)
ちに待っていたその客は、鬼の首をとったような顔で
不沈軍艦の見本:――金博士シリーズ・10――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
兎
(
うさぎ
)
は
躍
(
をど
)
つて、
仰向
(
あふむ
)
けざまに
身
(
み
)
を
飜
(
ひるがへ
)
し、
妖気
(
えうき
)
を
籠
(
こ
)
めて
朦朧
(
まうろう
)
とした
月
(
つき
)
あかりに、
前足
(
まへあし
)
の
間
(
あひだ
)
に
膚
(
はだ
)
が
挟
(
はさま
)
つたと
思
(
おも
)
ふと、
衣
(
きぬ
)
を
脱
(
はづ
)
して
掻取
(
かいと
)
りながら
下腹
(
したばら
)
を
衝
(
つ
)
と
潜
(
くゞ
)
つて
横
(
よこ
)
に
抜
(
ぬ
)
けて
出
(
で
)
た。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
何とかして
高飛車
(
たかびしや
)
に出てやらうと、
幾度
(
いくたび
)
か
下腹
(
したばら
)
に力を入れてみたが、その都度お爺さんが自慢さうに扱いてゐる銀のやうな長い髯が目につくので、
他愛
(
たあい
)
もない詰らぬ事を言つてしまつて
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
熱い
汁
(
つゆ
)
が
下腹
(
したばら
)
へ、たらたらと
染
(
し
)
みた
処
(
ところ
)
から、
一睡
(
ひとねむり
)
して目が覚めると、きやきや痛み出して、やがて吐くやら、
瀉
(
くだ
)
すやら、
尾籠
(
びろう
)
なお話だが
七顛八倒
(
しちてんはっとう
)
。
能
(
よく
)
も生きていられた事と、今でも思うです。
薬草取
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
その
夜
(
よ
)
は余り遅くまで話し込んだので、私もそこに泊り合せる事になつたが、さて
寝衣
(
ねまき
)
を着替へようといふ時、私は氏が痩せた
下腹
(
したばら
)
に
何
(
な
)
んだか得体のわからない物を捲きつけてゐるのを見つけた。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
下腹
(
したばら
)
で猫が
啼
(
な
)
く7・15(夕)
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
“下腹”の意味
《名詞》
腹の下部。したばら。
(出典:Wiktionary)
下
常用漢字
小1
部首:⼀
3画
腹
常用漢字
小6
部首:⾁
13画
“下腹”で始まる語句
下腹部
下腹巻