三途さんづ)” の例文
あるがんの中へ身を片寄せて二三げんあとに成つて居る和田さんと良人をつととを待ち合せた時、幼い時に聞いた三途さんづの河の道連みちづれの話を思ひ出すのであつた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
以て明朝きみには御切腹ごせつぷくせがれ忠右衞門も自害致し死出しで三途さんづ露拂つゆはらつかまつるとの事武士の妻が御切腹ごせつぷくの事兼て覺悟かくごには御座候へども君に御別おんわかれ申其上愛子あいし先立さきだたれ何を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
三途さんづの川の渡し錢なら、六文と相場がきまつて居るぜ、五十兩ありや憚り乍ら閻魔えんまの廳が素通りだ」
新内〽かねて二人が取りかはす、起請誓紙きしやうせいしもみんな仇、どうで死なんす覺悟なら、三途さんづの川もこれ此のやうに、ふたり手をとり諸共もろともと、なぜに云うてはくださんせぬ。
箕輪の心中 (旧字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
その罅隙は、義雄自身には、暗い死の影におほはれてゐる三途さんづの川の樣だ。深さも知れない底の底で、闇から闇へ通り過ぎる記憶といふ水が、がう/\と流れてゐる。
泡鳴五部作:04 断橋 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
それはおまへらぬから其樣そんにくていなことへるものゝ三日みつか交際つきあひをしたら植村樣うゑむらさまのあとふて三途さんづかはまできたくならう、番町ばんちやう若旦那わかだんなわるいとふではなけれど
うつせみ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
こゝは阪地かみがた自慢じまんする(……はしつわたりけり)のおもむきがあるのであるが、講釋かうしやく芝居しばゐで、いづれも御存ごぞんじの閻魔堂橋えんまだうばしから、娑婆しやば引返ひきかへすのが三途さんづまよつたことになつて——面白おもしろい……いや
深川浅景 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
小父をぢさん、ここは三途さんづの河原よ』
子供に化けた狐 (新字旧仮名) / 野口雨情(著)
三途さんづかはあたりだらうかなう?」
野の哄笑 (新字旧仮名) / 相馬泰三(著)
それはお前が知らぬからそんな憎くていな事も言へるものの、三日交際つきあひをしたら植村様のあと追ふて三途さんづの川まで行きたくならう、番町の若旦那を悪いと言ふではなけれど
うつせみ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
三途さんづの川は
子供に化けた狐 (新字旧仮名) / 野口雨情(著)