“むれ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ムレ
語句割合
89.8%
牟礼2.4%
1.2%
0.6%
0.6%
大群0.6%
0.6%
牟婁0.6%
0.6%
群団0.6%
群集0.6%
腐蒸0.6%
0.6%
蒸臭0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
フォレーゼは聖なるむれをさきにゆかしめ、我とともにあとより來りていひけるは。我の再び汝に會ふをうるは何時いつぞや。 七三—七五
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
昔は馬場だったそうであるが、その草原の向うに矢竹倉と並んで、牟礼むれという珍しい姓の、重臣の大きな屋敷があった。
契りきぬ (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
また、数里江上を行くと、一むれの兵船が飛ぶが如く漕ぎよせてきた。——一艘のみよしには、綸巾鶴氅りんきんかくしょうの高士か武将かと疑われるような風采の人物が立っていた。すなわち諸葛亮しょかつりょう孔明こうめいだった。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そこには夏服を着た子供が、強い光線の反射のやうに、止所とめどなしに緑のむれの前を飛び上がつたり又落ちたりしてゐる。それがうるさくてならない。ペエテルは眠りはしない。
老人 (新字旧仮名) / ライネル・マリア・リルケ(著)
随行の少年輩が一人飲み二人飲み、遂に先を争つて群り飲むに至つた。行き行きて岐路に逢ふことしば/″\であつたが、甘酒売は別れ去らない。甘酒の釜は此むれ行厨かうちゆうの如くになつた。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
そこで「この鯖をドウしてったか」と詰問すると澄ましたものだ。古ぼけた一本釣の道具を出して「ちょうど大群むれに行き当りましたので……」
爆弾太平記 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
彼等にまじりて、神にさからへるにあらず、また忠なりしにもあらず、たゞ己にのみ頼れるいやしき天使のむれあり 三七—三九
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
とありて、勿論今来のヲムレとは別の山であるが、ムラが山の義であるならば、ムレ、ムラ、ムロと通じて用いられた事になる、紀伊の牟婁むれ郡は即ち山の郡の義であろう。
マル及ムレについて (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
狂言作者古河黙阿弥ふるかわもくあみのかつてその戯曲『鵜飼の篝火かがりび』をつくるや狼のむれをして山中の辻堂にひそめる淫婦の肉を喰つて死に致さしむ。その意は勧善懲悪にありしなり。
桑中喜語 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
夥多おびただしい群団むれをなす。
二、三羽――十二、三羽 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
善き師曰ひけるは、子よ、ディーテと稱ふるまちは今近し、こゝには重き邑人まちびと大いなる群集むれあり 六七—六九
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
其の癖、綸は、今年おろして間も無く、腐蒸むれ居るべしとも思われず、綸の長く延び居る際は、思いの外安全なれども、近く寄せて格闘する際に、不覚を取ること多きは、予も知らざるに非ず。
大利根の大物釣 (新字新仮名) / 石井研堂(著)
山帰来葉ばらんはや山はこほしき日のむれもちひくるまむその葉摘みたむ
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
「袋で持つと、プンと臭い。蒸臭むれてる、と言ったら、洗って食えと言った。しゃくに障って、ちまけたら、お前さん、食べたより嬉しいと言ったぜ。」
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)