“ばんか”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:バンカ
語句割合
挽歌45.2%
晩夏16.1%
晩霞12.9%
輓歌6.5%
万顆6.5%
万家3.2%
盤渦3.2%
蕃茄3.2%
蛮歌3.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
呂昇は巧みにそれらの弱点を突いて、情緒をさわがせ、酔わし、彼らの胸の埋火うずみび掻起かきおこさせ、そこへぴたりと融合する、情熱の挽歌ばんかを伴奏したのである。
豊竹呂昇 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
老人越遊ゑついうすゝめしこと年々なり。もとより山水にふけるへきあり、ゆゑに遊心いうしんぼつ々たれども事にまぎれはたさず。丁酉の晩夏ばんかつひ豚児せがれ京水をしたがへ啓行けいかうす。
暗緑色の松と、晩霞ばんかの濃い紫と、この夕日の空の紅色こうしょくとは独り東京のみならず日本の風土特有の色彩である。
汽船の凱歌がいかは帆船にとっては輓歌ばんかであった。
黒船前後 (新字新仮名) / 服部之総(著)
紫に明け渡る夜を待ちかねて、ぬっと出る旭日あさひが、おかより岡をて、万顆ばんか黄玉こうぎょくは一時に耀かがやく紀の国から、ぬすみ来たかおりと思われる。この下を通るものは酔わねば出る事を許されぬおきてである。
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
この時日は既に万家ばんかむねに没しても、余残なごりの影をとどめて、西の半天を薄紅梅にそめた。顧みて東方とうぼうの半天を眺むれば、淡々あっさりとあがった水色、諦視ながめつめたら宵星よいぼしの一つ二つはほじり出せそうな空合そらあい
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
必ずやかくばかりの多数の婦人に包囲されて、その盤渦ばんかの中に埋没しては、彼の受けたる苦痛の経験は孔子釈尊のそれにも優ったことであろうと思う。
現代の婦人に告ぐ (新字新仮名) / 大隈重信(著)
蕃茄ばんかか、アーリアナか。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
船中から上がってきた面々は、蛮歌ばんか民謡みんようなどの隠し芸まで出して、彼らに興を添えた。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)