“はしゃ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
36.1%
20.5%
12.0%
乾燥9.6%
覇者7.2%
跛者6.0%
噪気2.4%
1.2%
焦燥1.2%
燥焦1.2%
軽噪1.2%
軽躁1.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
些細ささいのことではしゃいだり、又逆に不貞腐ふてくされた。こういう性質たちのものは、とうてい我々のような仕事をやって行くことは出来ない。
党生活者 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)
小初が赤い小旗を振って先に歩き出すと、雨で集りの悪い生徒達の団体がいつもの大勢の時より、もっと陽気にはしゃぎ出した。
渾沌未分 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
藤沢は、その年はどういうものか、ひどくはしゃいでいた。何事にも活溌だった。秋になると、貸し付けてあった食糧費をぴしぴしと取り立てた。
熊の出る開墾地 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
すこし風が吹いて土塵つちぼこりつ日でしたから、乾燥はしゃいだ砂交りの灰色な土をふんで、小諸をさして出掛けました。母親は新しい手拭てぬぐいかぶって麻裏穿あさうらばき
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
乾坤の二刀をいたその年の覇者はしゃを先頭に、弥生が提灯ちょうちんをさげて足もとを照らし、鉄斎老人がそれに続いて、門弟一同行列を作りつつ、奥庭にまつってある稲荷いなりのほこらへ参詣して
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
いながら知るべき名所を問わず、おのが生れしその国を天地世界と心得るは、足を備えて歩行せざるが如し。ゆえに地理書を学ばざる者は、跛者はしゃに異ならず。
朝早くからひとりで噪気はしゃいで、煎餅の仕上げが済むと同時に、夕暮れ近くいそいそとして自宅いえを出て行ったが、それが小半時も経ったかと思うころ、蒼白まっさおな顔に歯を喰い縛って裏口から帰って来て
外面は、さぞはしゃぎおごっているように見えましたろうけれど、絶えず私は、体内に暴れ狂っている雨風を凝と見詰め、どうしたらいいか——それのみ考え続けて居りました。
オフェリヤ殺し (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
都合のい仮面を人が貸してくれたのを、かえって仕合しあわせとして喜びました。それでも時々は気が済まなかったのでしょう、発作的に焦燥はしゃまわって彼らを驚かした事もあります。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
例のボーイはさも嬉しそうに、彼等の群へ飛んで行き、その中でも特に人目に付く、立派の顔立の留学生とわしそうに燥焦はしゃいで喋舌しゃべり出した。
広東葱 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
これから思う存分軽噪はしゃごうというその前に、あっちでも、こっちでも、さも四辺の立聞をでも気づかうように、そっと内証で声試しをしているあの音を聞きますと、ちょうど土塊をおし分けて
初蛙 (新字新仮名) / 薄田泣菫(著)
どうか調子のいいときだけは少し軽躁はしゃがしといて下さい。いずれは落馬しましょうから、そのとき差引勘定をして下さい。
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)