“そこここ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
其処此処75.8%
其所此所6.1%
其処是処3.0%
其処茲処3.0%
其家此家3.0%
其處斯處3.0%
其處此處3.0%
彼処此処3.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
山が漸次に深くなり、山道を荷を負うて通う牛が其処此処そこここに群をなしている。道の両側の坂地をならして小さな麻畑がいくつも出来ている。
木曽御嶽の両面 (新字新仮名) / 吉江喬松(著)
此所等ここらあたりは場末ばずゑの土地とてかはやからんと思へども茶屋さへ無にこうじたる長三郎の容子ようすを見て和吉は側のうらへ入り其所此所そこここ見ればきたなげなる惣雪隱そうせついんありたれば斯とつぐるに喜びて其所へ這入はひりて用を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
時々お雪は立止って、めずらしそうに其処是処そこここ光景さまを眺めながら
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「色だ、ナニ夫婦サ」と法界悋気ほうかいりんきの岡焼連が目引袖引めひきそでひき取々に評判するを漏聞くごとに、昇は得々として機嫌きげん顔、これ見よがしに母子おやこの者を其処茲処そこここと植木屋を引廻わしながらも片時と黙してはいない。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
あのの背中を流す女中衆おなごしゅさんから聞き出したことで……私は、いつも其家此家そこここおなごたちの文使いをして遣りまするで、蔵元屋の女中さんも、詳しゅう話いて聞かせました上に
さまし我々は財布の樣なる物は一向見掛けずと云けれ共尚ほも五月蠅うるさく其處斯處そこここと尋ね廻りける故みせの者共是を聞て此者は盜人かかたりならんと思ひけるにコレ爺殿おやぢどの貴殿おまへが二十兩と云ふ金を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
見物けんぶつあれと無理にすゝむる故毎度のすゝ然々さう/\ことわるも氣の毒と思ひ或日あるひ夕暮ゆふぐれより兩人同道にて二丁町へ到り其處此處そこここと見物して行歩あるく中常盤屋と書し暖簾のれんの下りし格子かうしの中におときといふ女の居りしが文藏不※ふと恍惚みとれさまたゝずみける佐五郎はやくも見付みつけなにか文藏に私語さゝやき其家へ上りしがやみつきにて文藏は
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
私の目にふれた色色な仏像や仏画、朝夕に鳴る鐸鈴の厳かな音色、それから彼処此処そこここともされたお燈明などに、これまでとは別な清まった心になることを感じるのであった。
幼年時代 (新字新仮名) / 室生犀星(著)