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其所此所
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そこここ
何か
出たかと
問ひながらも、
眼を四
方に
配つて
見ると、
掘出した
貝は、
一々篩で
振つて、
貝は
貝だけとして、
山の
如く
積んである。
破片が
其所此所に
散亂して
居る。
胸は
土器々々である。
此所等あたりは
場末の土地とて
厠を
借んと思へども茶屋さへ無に
困じたる長三郎の
容子を見て和吉は側の
裏へ入り
其所此所見れば
汚げなる
惣雪隱ありたれば斯と
告るに喜びて其所へ
這入て用を