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しよぐわ
余六十一
還暦の時年賀の
書画を
集む。
吾国はさらなり、諸国の
文人三
都の
名家妓女俳優来舶清人の一
絶をも
得たり。
余六十一
還暦の時年賀の
書画を
集む。
吾国はさらなり、諸国の
文人三
都の
名家妓女俳優来舶清人の一
絶をも
得たり。
前年牧之江戸に
旅宿の頃、
文墨の
諸名家に
謁して
書画を
乞ひし時、
前の山東庵には
交情厚くなりてしば/\
訪ひしに、京山翁
当時はいまだ若年なりしが、ある時雪の
話につけて京山翁いへらく
「ぢや
貴方は
別に
書畫が
好きで、
見に
入らしつた
譯でもないんですね」と
自分の
誤解を、さも
面白い
經驗でもした
樣に
笑い
出した。
宗助は
序だから、それと
同時に、
叔父に
保管を
頼んだ
書畫や
骨董品の
成行を
確かめて
見た。すると、
叔母は
なに
書畫どころか、
丸で
何も
分らない
奴です。あの
店の
樣子を
見ても
分るぢやありませんか。
骨董らしいものは
一つも
並んでゐやしない。もとが
紙屑屋から
出世してあれ
丈になつたんですからね