)” の例文
「いろんな方法があって、一々べきれないが、素人しろうとに判りよい方法を三つ四つ、数えてみよう。まずお月様を征服することじゃ」
遊星植民説 (新字新仮名) / 海野十三(著)
やまがたといひして、土地とち樣子ようすからその性質せいしつべて、そこに青々あを/\した野菜やさいいろを、印象深いんしようぶかくつかんで、しめしてゐます。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
すべてがいかにもきよらかで、優雅ゆうがで、そして華美はでなかなんともいえぬ神々こうごうしいところがある。とてもわしくちつくせるものではない。
下女げぢよは「左樣さやう御座ございましたか、どうも」と簡單かんたんれいべて、文庫ぶんこつたまゝいた仕切しきりまでつて、仲働なかばたらきらしいをんなした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
かくわたしはばけものといふものは非常ひぜう面白おもしろいものだとおもつてるので、これくわんするほんの漠然ばくぜんたる感想かんさうを、いさゝこゝぶるにぎない。
妖怪研究 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
まへにもべたやうに、金解禁きんかいきん準備中じゆんびちうに、海外かいぐわいから思惑投機おもわくとうきごときは、その巨額きよがくならざることもおよあきらかになつてることであるから
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
衣食住の事はおはりたるを以て是より器具きぐの方に移るべし。コロボックルは如何なる器具を用ゐしやと云ふ事を考ふるには三つの據有り。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
所謂いはゆる文学者ぶんがくしやとはフィヒテが“Ueberユーバル dasダス Wesenウエーゼン desデス Gelehrtenゲレールテン”にべたてし、七むづかしきものにあらず。
為文学者経 (新字旧仮名) / 内田魯庵三文字屋金平(著)
新石器時代しんせつきじだい人類じんるいつくつたものには、まへべました石器せつき土器どきなどのほかに、なほ非常ひじようおほきなすばらしいものがあります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
そして、あつくおれいべて、これから諸国しょこく神社仏閣じんじゃぶっかく参拝さんぱいするとき、あなたのうえをもおいのりしますといいました。
二番めの娘 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ハワイの火山かざんのように海底かいていからあがつて出來できたものは、鎔融状態ようゆうじようたいおい比較的ひかくてき流動りゆうどうやす性質せいしつつてゐることは、まへにもべたところであるが
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
「おあつうござんすねどうも」おつぎはたすきをとつて時儀じぎべながらおつたへちやすゝめた。三にんしばら沈默ちんもくしてた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
わたくし貴方あなたすべてを綜合そうがふする傾向けいかうつてゐるのを、面白おもしろかん敬服けいふくいたしたのです、また貴方あなたいまべられたわたくし人物評じんぶつひやうは、たゞ感心かんしんするほかりません。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
それから後見こうけんけてもらうて、覺束無おぼつかなげにれい入場にふぢゃう長白つらねべるのもうれしうい。先方さき如何どうおもはうとも、此方こっち此方こっちで、おも存分ぞんぶんをどりぬいてかへらう。
わたしたちはおばさんに礼をべて、ともかくなにか食べ物を食べようと思って、パン屋をさがしに町へ行った。
小林氏もまた、大劇場をもつ抱負はうふのある事をべられた。これは直ぐにも實行力のある人の仕事であるから、確固たるもので、早晩實現されるものに相違ない。
むぐらの吐息 (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
るよく晴れた日、須利耶さまはみやこに出られ、童子の師匠ししょうたずねて色々れいべ、また三巻みまき粗布あらぬのおくり、それから半日、童子をれて歩きたいともうされました。
雁の童子 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
ゾラの書いた大部の連続小説の中に、数代にわたるルゴン・マカール家の遺伝がべられている。
親は眺めて考えている (新字新仮名) / 金森徳次郎(著)
おほせられました。その女官じよかんがさっそく竹取たけとりのおきないへ出向でむいて勅旨ちよくしべ、ぜひひめひたいといふと、おきなはかしこまつてそれをひめにとりつぎました。ところがひめ
竹取物語 (旧字旧仮名) / 和田万吉(著)
大佐たいさこうまさ朝日島あさひじま出發しゆつぱつせんとする瞬時わづかまへ震天動地しんてんどうち大海嘯おほつなみために、秘密造船所ひみつざうせんじよ倉庫さうこくだけて、十二のたる流失りうしつしたことから、つひ今回こんくわい大使命だいしめい立到たちいたつたまで大略あらまし
取り打ち連れ立ちて行きながら彼の旅人に打ち對ひ小腰こごしかゞめ偖々惡者に付られ難儀千萬の處貴君の御救ひにて何事なくまことに御禮は言葉に盡しがたしと慇懃いんぎんに禮をべつゝこの旅人を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
少くとも好都合かうつがふの条件の一つに数へられなければならぬ筈である。この点は僕も君の説に少しも異議をべる必要はない。同時に又君も僕の説に異議を述べる必要はない筈である。
解嘲 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
あにこの最終さいしうの一夜にのぞんでうらみをぶべけんや、し此探検中あめふことおほかりせば尚二倍の日子をようすべく、病人も生ずべく、めに半途帰路にくか或は冒進ぼうしんして餓死におちゐるか
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
ですから、ジェンナーの伝を書くにあたっては、どうしても天然痘てんねんとうのおそろしさをべておかねばなりません。多分みなさんはペストやコレラのおそろしさを知っておられるでしょう。
ジェンナー伝 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
しかしてかくごとく偶然の機會よりして偶然の殺戮を見得るが故に、一けんして淺薄せんはくにして原因げんいんもなきものゝたねなる、このしよ眞價しんかじつみぎべたる魔力まりよく所業しよげふ妙寫みようしやしたるにおいて存するのみ。
「罪と罰」の殺人罪 (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)
和尚おしょうさんはねこのこうまんらしくてる口上こうじょうを、にこにこしてきながら
猫の草紙 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
発見者はっけんしゃは、老人ろうじんうちのすぐとなりにんでいて、去年きょねんあたり開業かいぎょうした島本守しまもとまもるという医学士いがくしだつたが、島本医師しまもといしは、警察けいさつ事件じけん通報つうほうすると同時どうじに、大要たいようつぎのごとく、その前後ぜんご事情じじょうべた。
金魚は死んでいた (新字新仮名) / 大下宇陀児(著)
すなはち立ちて、「集会において時間の約を守るべきこと」につきてぶ。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
と正三君は日ごろ感じているままをべた。
苦心の学友 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
報告者は、一気にべた。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それをあめのために、にほひがやはらげられて、ほとんど、あるかないかのように、しんみりとしたふうにかをつてる、とべてゐます。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
細君さいくん宗助そうすけるやいなや、れいやはらかいした慇懃いんぎん挨拶あいさつべたのち此方こつちからかうとおもつて安井やすゐ消息せうそくを、かへつてむかふからたづねた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
あなたがたがそれをれるか、れないかはまったべつとして、かくわたくしえいじたままを率直あからさまべてることにいたします。
以上いじやうべたところ總括そうくわつして、化物思想ばけものしさうはどういふところもつとおほ發達はつたつしたかとかんがへてるに、化物ばけもの本場ほんば是非ぜひ熱帶ねつたいでなければならぬことわかる。
妖怪研究 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
「いろんな実験です。数百種も、数千種も、いろいろな実験をこの部屋ですることができます。みんなべきれません」
金属人間 (新字新仮名) / 海野十三(著)
よしありましても、直線ちよくせんなどをほそんだもので、まへべた土器どきのように、曲線きよくせんだとかなはだとかむしろだとかのかたちしたものは見當みあたりません。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
第一種の方には略製りやくせいにして胸部の搆造かうざうつまびらかならざるものも有れど大概は右にべしが如くなるべし。兩種共樣々の模樣もやう有り。殊に渦卷うづまき形を多しとす。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
おとこは、いくたびもおれいべて、そこをりました。そのうしろ姿すがたおんなひとは、どくそうに見送みおくっていました。
窓の下を通った男 (新字新仮名) / 小川未明(著)
たゞ地震ぢしんおこようすなは地震ぢしんはいかなる場所ばしよおいてどんな作用さようおこるかの大體だいたい觀念かんねんるため、地球ちきゆう表面ひようめんちか部分ぶぶん構造こうぞうべさしてもらひたい。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
「どうも御馳走樣ごつゝおさまでがした」と義理ぎりべて土間どま下駄げたをがら/\さぐつてがや/\さわぎながらかへけた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
わたくし貴方あなたすべてを綜合そうごうする傾向けいこうをもっているのを、面白おもしろかんじかつ敬服けいふくいたしたのです、また貴方あなたいまべられたわたくし人物評じんぶつひょうは、ただ感心かんしんするほかはありません。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
同時どうじ爲替相場かはせさうば調節てうせつ國際貸借こくさいたいしやく改善かいぜん此上このうへもない次第しだいかんがへる。まへべたごとく、金解禁きんかいきん日本内地にほんないちからてもさうであるが、海外かいぐわいかられば一そう大問題だいもんだいである。
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
わたしはそれからどうして犬が一時十五分ごろ寺にいたか、その理由をべろと言われた。
三十錢は安いやうでまだ高いがこれはたんに觀劇料ばかりではない。食べものも含んでゐるので、最初から好むところをべると、切符は赤、青、白、などの色によつて食事券をも代用する。
むぐらの吐息 (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
山の頂上に出で其後そのご国境こくけうとする所をみてかへらんとするを云ふなり、二派各其困難こんなんの度を比較して利害得失りがいとくしつべ、甲論乙駁容易ようゐけつせず、数時間をつひに水源論多数たすうめ之れに一决す
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
と私は思っている通りをべた。
凡人伝 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
渡邊橋わたなべばしの天一坊の旅館りよくわんつかはさる兩人は玄關げんくわんより案内あんないに及べば取次は遠藤ゑんどう東次右衞門なり出て挨拶あいさつに及ぶに兩人の與力よりきの申には我々は西にし町奉行松平日向守組與力くみよりきなるが天一坊殿に御重役ごぢうやく御意ぎよいたし少々御伺おうかゞひ申度儀ありと取次とりつぎの遠藤東次右衞門は早速さつそく奧へかくと通ぜんとまづ兩人を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
化物學ばけものがくといふ學問がくもんがありとすれば、いままでべたことは、その序論じよろんるべきものであつて、こゝにはたゞ序論じよろんだけをべたことになるのである。
妖怪研究 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
じいさんのべるところはまだしッくりわたくしむねにはまりませんでしたが、しかしそれがかたならずわたくし好奇心こうきしんをそそったのは事実じじつでございました。
さうしてその人世觀じんせいくわんくちべるもの、あたまくものでは駄目だめであつた。こゝろ實質じつしつふとくなるものでなくては駄目だめであつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)