“前後”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ぜんご48.2%
あとさき44.5%
まえうしろ5.1%
ついで0.7%
まへうし0.7%
まへうしろ0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ひるすこしまえにはもう二人ふたりにいさんが前後ぜんごして威勢いせいよくかえってた。一人ひとりにいさんのほう袖子そでこているのをるとだまっていなかった。
伸び支度 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
つい、そのころもんて——あき夕暮ゆふぐれである……何心なにごころもなく町通まちどほりをながめてつと、箒目はゝきめつたまちに、ふと前後あとさき人足ひとあし途絶とだえた。
春着 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
またぼうとなって、居心いごころすわらず、四畳半を燈火ともしび前後まえうしろ、障子に凭懸よりかかると、透間からふっと蛇のにおいが来そうで、驚いてって出る。
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
其の絵のたへなるをでて乞要こひもとむるもの一二前後ついでをあらそへば、只花鳥山水はふにまかせてあたへ、鯉魚りぎよの絵は一三あながちに惜しみて、人ごとたわぶれていふ。
僕は樹木じゆもくを眺める時、何か我々人間のやうに前後まへうしろのあるやうに思はれてならぬ。
僕は (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
色沢いろつやの悪い顔を、土埃ほこりと汗に汚なくして、小い竹行李二箇ふたつ前後まへうしろに肩に掛け、紺絣こんがすり単衣ひとへの裾を高々と端折り、重い物でも曳擦る様な足調あしどりで、松太郎が初めて南の方からこの村に入つたのは
赤痢 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)