“何心”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
なにごころ69.7%
なにごゝろ21.2%
なにごヽろ6.1%
なにげ3.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
つい、そのころもんて——あき夕暮ゆふぐれである……何心なにごころもなく町通まちどほりをながめてつと、箒目はゝきめつたまちに、ふと前後あとさき人足ひとあし途絶とだえた。
春着 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
そつともとのやうに書物のあひだに収めて、なほもそのへんの一冊々々を何心なにごゝろもなくあさつてくと、今度は思ひがけない一通の手紙に行当ゆきあたつた。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
たみ此家このやに十ねんあまり奉公ほうこうして主人しゆじんといへどいまかはらず、なにとぞ此人このひと立派りつぱあげてれも世間せけんほこりたきねがひより、やきもきとむほど何心なにごヽろなきおそのていのもどかしく
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
そのうち船がある小さな島を右舷に見てそのいそから十町とは離れないところを通るので僕は欄に寄り何心なにげなくその島をながめていた。
忘れえぬ人々 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)