“何人”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
なんぴと44.0%
だれ15.1%
なんびと14.8%
たれ10.8%
なにびと8.7%
どなた2.7%
なんにん2.0%
なにひと0.3%
いくら0.3%
なにぴと0.3%
なんひと0.3%
いくたり0.2%
なにじん0.2%
なんら0.2%
ひとびと0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
何人なんぴとが進んでそのしょくに応ずるかはの知る限りでない。余はただ文壇のために一言して諸君子の一考いっこうわずらわしたいと思うだけである。
文芸委員は何をするか (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
他に何人だれも客がなくてそれでお幸ちゃんが出前をもって往ったことがあった。北村さんの右の手はこっちの左の手首にからまっていた。
萌黄色の茎 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
いつ、どういう時に、彼が官庁に入ったのか、また何人なんびとが彼を任命したのか、その点については誰ひとり記憶している者がなかった。
外套 (新字新仮名) / ニコライ・ゴーゴリ(著)
「九時比に目黒のさきへ往ったと云うのは時間がわないが、女と往ってよろしくやってたから、何人たれかが悪戯いたずらをしたのじゃないの」
一握の髪の毛 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
源氏もまったく何人なにびとであるかの見分けがつかなかったわけではなかったが、右大臣家の何女であるかがわからないことであったし
源氏物語:08 花宴 (新字新仮名) / 紫式部(著)
「オヤマア貴君にも似合わない……アノ何時いつか、気が弱くッちゃア主義の実行は到底覚束ないとおっしゃッたのは何人どなただッけ」
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
ほとんど、その頃の日本では、何人なんにんと知らない明国の知識を話したいために、彼は客呼びをして、こんな馳走もするのだった。
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
即ち初めわたくしがその何人なにひとたるを知るに苦んだ頼竹里らいちくりである。竹里は蘭軒の江戸を発するとき、遠くこれを板橋に送つた。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
あれがいよいよ取りかかる日には何人いくらやとうそのうちに汝が手下の者も交じろう、必ず猜忌邪曲そねみひがみなど起さぬようにそれらには汝からよく云い含めてやるがよいとの細かいおさと
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
出品しゆつぴん製作せいさくみん自宅じたくくのだから、何人なにぴとたれなにくのからない、またたがひ祕密ひみつにしてこと志村しむら自分じぶんたがひ畫題ぐわだいもつと祕密ひみつにしてらさないやうにしてた。
画の悲み (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
当時江戸にめされてゐた訳司中の学者はその何人なんひとなるを知らない。「長崎年表」にも此事は載せてない。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
ニコラス廃帝が、内親王は何人いくたりも持っておられたにもかかわらず、皇子おうじとしては今年やっと十五歳になられた皇太子アレキセイ殿下以外に一人も持っておられなかったことです。
死後の恋 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
カイロは何人なにじんの町だといったらよいのか? エジプト人の町だといえるなら簡単だが、それでは、エジプト人とはどんな国民かと考えて見ると、また厄介なことになる。
七重文化の都市 (新字新仮名) / 野上豊一郎(著)
古来いふ佳人は薄命なり、と、けだし社会が渠をして薄命ならしむるのみ。婚姻てふものだになかりせば、何人なんらの佳人か薄命なるべき。
愛と婚姻 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
まだなかのほこりにけがされぬ若者わかもの感覚かんかくは、何人ひとびとこころにもないうそをいったり、あるいは、かざらず真実しんじつかたるか、また謙遜けんそんであって、信用しんようするにりるか、どうかということを、わけ
心の芽 (新字新仮名) / 小川未明(著)