“なにごころ”の漢字の書き方と例文
語句割合
何心100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
(中略)下女しもをんな(中略)何心なにごころなくあぜづたひにく向うのかた、すすきのかげより思ひがけなく、下男しもをとこ横だきにして池中ちちうへなげ入れける。(中略)
案頭の書 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
私はその草の中に立って、何心なにごころなく向うのがけながめました。今でも悪い景色ではありませんが、その頃はまたずっとあの西側のおもむきが違っていました。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
谷中やなかから上野を抜けて東照宮の下へ差掛さしかかった夕暮、っと森林太郎という人の家はこの辺だナと思って、何心なにごころとなく花園町はなぞのちょう軒別けんべつ門札もんさつを見て歩くとたちまち見附けた。
鴎外博士の追憶 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)