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點頭
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うなづき
含み二下り讀では
莞爾々々と
彷彿嬉し
氣なる
面持の樣子を
篤と見留て長庵は心に
點頭つゝ
頓て返書を請取千太郎よりも
小遣ひとて金百
疋を
藏くし
孃さまにも
嘸ぞお
喜び
我身とても
其通りなり
御返事屹度まちますと
云えば
點頭ながら
立出る
廻り
椽のきばの
橘そでに
薫りて
何時か
月に
中垣のほとり
吹のぼる
若竹の
葉風さら/\として
初ほとゝぎす
待べき
夜なりとやを
殺さば殺さるゝ其條目は
脱れ難し如何はせんと計りにて
霎時思案に
暮たるがやう/\思ひ
附ことありてや
一個點頭有司に命じ庄兵衞の母お
勝。
探り給ふか
吾儕も共に案じられてと云ば忠兵衞
點頭て年より
怜悧和郎の心配吾儕も
切迫に
詰つた故
先云るゝ通り五日をば承知をなして受合たれど何を
當にも雲を
闇。