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うぐいすだに
ふりがな文庫
“
鶯谷
(
うぐいすだに
)” の例文
根岸の
鶯谷
(
うぐいすだに
)
の奥の
植木師
(
うえきや
)
の庭つづきの、
小態
(
こてい
)
な寮の寮番のような事をしながら、相変らずチンコッきりと煙草の
葉選
(
はよ
)
りの内職だった。
旧聞日本橋:12 チンコッきり
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
鶯谷
(
うぐいすだに
)
を下りて御院殿を
傍
(
かたえ
)
に見て、かの横町へ入ると中ほどの鴨川の門の前に、二頭立の馬車が一台、幅一杯になって着いていた。
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
背負
(
しょい
)
太刀、ダン袋、赤い飾毛をなびかせた官軍が五六人、木立を
捜
(
さぐ
)
り、藪を分けて
鶯谷
(
うぐいすだに
)
の方へ降りて行きます。
芳年写生帖
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
私はまえに実さんやはじめさんなどと、
鶯谷
(
うぐいすだに
)
から上野の山を抜けて
道灌山
(
どうかんやま
)
まで遊びに行ったことがある。かえりには
日暮里
(
にっぽり
)
から三河島を通って帰ってきた。
桜林
(新字新仮名)
/
小山清
(著)
向かい合ってタラタラと並んでいるのはお
筒持
(
つつも
)
ちの小身の組屋敷であったが、そこを右へとって進んで行けば、寂しい寂しい
鶯谷
(
うぐいすだに
)
となる。そっちへ浪人は歩いて行く。
娘煙術師
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
▼ もっと見る
こう思って
各々
(
めいめい
)
は同じく山下へ入り込んで行きましたが、
究竟
(
くっきょう
)
と思う
木蔭
(
こかげ
)
山蔭
(
やまかげ
)
をも無事に通り抜けさして、ついに
鶯谷
(
うぐいすだに
)
、
新坂
(
しんざか
)
の下まで乗物を送って来てしまいました。
大菩薩峠:01 甲源一刀流の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
四、五町来ると、
屏風
(
びょうぶ
)
坂から
鶯谷
(
うぐいすだに
)
のさびしい山蔭、もう、ここらでよかろうと万吉
鳴門秘帖:02 江戸の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
いつも歩き廻る
場末
(
ばすえ
)
の町を歩いていた時、それは省線の
鶯谷
(
うぐいすだに
)
に近い
処
(
ところ
)
であったが、とある空地に、テント張りの曲馬団がかかっていて、古風な楽隊や、グロテスクな絵看板が好ましく
孤島の鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
電車通を行くことなほ二、三町にしてまた坂の
下口
(
おりくち
)
を見る。これ
即
(
すなわち
)
金剛寺坂
(
こんごうじざか
)
なり。文化のはじめより大田南畝の住みたりし
鶯谷
(
うぐいすだに
)
は金剛寺坂の中ほどより西へ入る低地なりとは考証家の言ふところなり。
礫川徜徉記
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
三月二十八日 高木
峡川
(
きょうせん
)
送別。
鶯谷
(
うぐいすだに
)
、
伊香保
(
いかほ
)
。越央子招宴。
六百句
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
鶯谷
(
うぐいすだに
)
、
日暮里
(
ひぐらしのさと
)
、
初音町
(
はつねちょう
)
と風流な名まえがついている。
江戸前の釣り
(新字新仮名)
/
三遊亭金馬
(著)
(東京郊外、
渋谷町
(
しぶやまち
)
鶯谷
(
うぐいすだに
)
アパートにて)
省線電車の射撃手
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
雉子
(
きじ
)
町を通り、
淡路
(
あわじ
)
町を通り、駿河台へ出て御茶ノ水本郷を抜けて上野へ出、
鶯谷
(
うぐいすだに
)
へ差しかかった。
八ヶ嶽の魔神
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
上野の
山内
(
さんない
)
、
清水
(
きよみず
)
の観音堂。
鶯谷
(
うぐいすだに
)
という順に、その到る処、花が咲いていたように思います。
白花の朝顔
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
三島神社のある通りに出て、永藤という屋号のパン屋の横町だったかの狭い露地を通りぬけると、そこはもう根岸で幼稚園は
鶯谷
(
うぐいすだに
)
へ出る途中のやっちゃ場(青物市場)の近くにあった。
生い立ちの記
(新字新仮名)
/
小山清
(著)
鶯谷
(
うぐいすだに
)
の古梅庵という料亭までご足労を願いたい——という文意。
鳴門秘帖:02 江戸の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
渋谷
(
しぶや
)
の
鶯谷
(
うぐいすだに
)
アパート」
省線電車の射撃手
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
鶯谷
(
うぐいすだに
)
、しほ原。
六百句
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
二晩ばかりつけました、上野の山ね、
鶯谷
(
うぐいすだに
)
ね、
杖
(
ステッキ
)
でも持ちゃあがって散歩とでも出掛けてみろ、
手前
(
てめえ
)
活
(
いか
)
しちゃあ帰さねえつもりで、あすこいらを張りましたけれど、出ませんや。
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「しかし、
鶯谷
(
うぐいすだに
)
へ出るには、ちと、方角違いな気がするが」
鳴門秘帖:02 江戸の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
胎毒
(
たいどく
)
ですか、また案じられた
種痘
(
うえぼうそう
)
の頃でしたか、
卯辰山
(
うたつやま
)
の下、あの
鶯谷
(
うぐいすだに
)
の、中でも奥の寺へ、祖母に手を
引
(
ひか
)
れては参詣をしました処、山門前の坂道が、両方
森々
(
しんしん
)
とした
樹立
(
こだち
)
でしょう。
菊あわせ
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
鶯谷
(
うぐいすだに
)
では見られない、田舎には珍らしい、
佳
(
い
)
い女が居るからと、度々聞かされたのでありますが、ただ、佳い女が居るとばかりではない、それが篠田とは浅からぬ関係があるように思われまする
湯女の魂
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
“鶯谷”の意味
《名詞》
うぐいすが谷にいること。また、そのような谷。
世間に知られておらず、出世もしていないこと。
(出典:Wiktionary)
“鶯谷”の解説
鶯谷(うぐいすだに)は東京都台東区の地名。東日本旅客鉄道(JR東日本)山手線・京浜東北線の鶯谷駅を中心とした地域。
(出典:Wikipedia)
鶯
漢検準1級
部首:⿃
21画
谷
常用漢字
小2
部首:⾕
7画
“鶯”で始まる語句
鶯
鶯茶
鶯色
鶯張
鶯春亭
鶯横町
鶯声
鶯籠
鶯渓
鶯鶯