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こっかく
ふりがな文庫
“
骨骼
(
こっかく
)” の例文
欧羅巴
(
ヨーロッパ
)
には、
骨骼
(
こっかく
)
の
逞
(
たくま
)
しい、実に大きな馬がいる。僕は
仏蘭西
(
フランス
)
に上陸するや、
直
(
す
)
ぐその大きな馬に気づいた。この馬は、欧羅巴の至るところで働いている。
玉菜ぐるま
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
もっともその驚き方を解剖して見るとみんな消極的である。第一あんなに背の高い人とは思わなかった。あんなに
頑丈
(
がんじょう
)
な
骨骼
(
こっかく
)
を持った人とは思わなかった。
長谷川君と余
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
さて虎も
獅
(
しし
)
も同じく猫属の獣で外貌は大いに
差
(
ちが
)
うが
骨骼
(
こっかく
)
や爪や歯牙は余り違わぬ、毛と皮が大いに異なるのだ。
十二支考:01 虎に関する史話と伝説民俗
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
正常な
骨骼
(
こっかく
)
を内に蔵しているとも思えない胴腰、それらは大人としては不可能であっても、嬰児としては実に必然で、また実に仏菩薩にふさわしいのである。
日本精神史研究
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
単于
(
ぜんう
)
は手ずから李陵の
縄
(
なわ
)
を解いた。その後の待遇も
鄭重
(
ていちょう
)
を極めた。
且鞮侯
(
そていこう
)
単于とて先代の
呴犁湖
(
くりこ
)
単于の弟だが、
骨骼
(
こっかく
)
の
逞
(
たくま
)
しい
巨眼
(
きょがん
)
赭髯
(
しゃぜん
)
の中年の
偉丈夫
(
いじょうふ
)
である。
李陵
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
▼ もっと見る
挨拶を受けた相手の名誉を顧慮しているのである。土蔵の裏手、翼の
骨骼
(
こっかく
)
のようにばさと葉をひろげているきたならしい樹木が五六ぽん見える。あれは
棕梠
(
しゅろ
)
である。
彼は昔の彼ならず
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
姙婦というものは、生理状態から変なものを喰べたがるものだ。この場合の彼女は、胎児の
骨骼
(
こっかく
)
を作るために燐が不足していたので、いつもマッチの頭を喰べていたのだ。
流線間諜
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
いゝや、さうぢゃない、
白堊
(
はくあ
)
紀の
巨
(
おほ
)
きな
爬虫
(
はちゅう
)
類の
骨骼
(
こっかく
)
を博物館の方から頼まれてあるんですがいかゞでございませう、一つお探しを願はれますまいかと、斯うぢゃなかったかな。
楢ノ木大学士の野宿
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
もう五十を越えているらしい。一体に
逞
(
たくま
)
しい
骨骼
(
こっかく
)
で顔はいつも銅のように光っている。
嵐
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
アシカの
鰭
(
ひれ
)
や、獣の前足などはすべて同じ
骨骼
(
こっかく
)
をもっていることを示し、ただ空中を飛んだり、水中を泳いだり、地面を歩いたりすることにより形がちがって来るのだと説いたのでした。
チャールズ・ダーウィン
(新字新仮名)
/
石原純
(著)
おれはそう思って、現実に抗して現実の無意義と無内容とを観じようとすれば、現実はその
骨骼
(
こっかく
)
ばかりの機構を露呈して、かえっておれの無知を責めてかかる。おれはその背後に虚無を見る。
夢は呼び交す:――黙子覚書――
(新字新仮名)
/
蒲原有明
(著)
その説明としては「吾人の空間の
骨骼
(
こっかく
)
は光線である」
救われた稀本:——寺田寅彦著『物理学序説』
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
口は小さく、
顎
(
あご
)
も短い。色が白いから、それでも可成りの美少年に見える。身長
骨骼
(
こっかく
)
も尋常である。
乞食学生
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
いいや、そうじゃない、
白堊紀
(
はくあき
)
の
巨
(
おお
)
きな
爬虫
(
はちゅう
)
類の
骨骼
(
こっかく
)
を博物館の方から頼まれてあるんですがいかがでございましょう、一つお探しを願われますまいかと、斯うじゃなかったかな。
楢ノ木大学士の野宿
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
彼の
尤
(
もっと
)
も嫌うのは
羅漢
(
らかん
)
の様な
骨骼
(
こっかく
)
と
相好
(
そうごう
)
で、鏡に向うたんびに、あんな顔に生れなくって、まあ
可
(
よ
)
かったと思う位である。その代り人から
御洒落
(
おしゃれ
)
と云われても、何の苦痛も感じ得ない。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
これから察するところ、笛吹川はどこかの医学校の標本室から、
骨骼
(
こっかく
)
を盗み出して来て、彼自身の身代りとして棺中に収めたのでしょう。ここいらも、彼の周到な注意ぶりが窺われます。
赤耀館事件の真相
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
岩兎は外貌が熟兎に似て物の
骨骼
(
こっかく
)
その他の構造全く兎類と別で象や
河馬
(
かば
)
等の有蹄獣の一属だ。この物にも数種あってアフリカとシリアに産す(第三図は南アフリカ産ヒラクス・カベンシス)
十二支考:02 兎に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
その
骨骼
(
こっかく
)
といい、頭恰好といい、
瞳
(
ひとみ
)
のいろといい、それから音声の調子といい、まったくロンブロオゾオやショオペンハウエルの規定している天才の特徴と
酷似
(
こくじ
)
しているのである。
彼は昔の彼ならず
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
自宅に風呂を買わない時分には、つい近所の銭湯に行ったが、
其所
(
そこ
)
に一人の
骨骼
(
こっかく
)
の
逞
(
たく
)
ましい三助がいた。これが行くたんびに、奥から飛び出して来て、流しましょうと云っては
脊中
(
せなか
)
を
擦
(
こす
)
る。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
斯うだ、斯うだ、ちがひない。さあ、ところでこゝは
白堊
(
はくあ
)
系の
頁岩
(
けつがん
)
だ。もうこゝでおれは探し出すつもりだったんだ。なるほど、はじめてはっきりしたぞ。さあ探せ、恐竜の
骨骼
(
こっかく
)
だ。恐竜の骨骼だ。
楢ノ木大学士の野宿
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
“骨骼”の意味
《名詞》
「骨格」 参照
(出典:Wiktionary)
骨
常用漢字
小6
部首:⾻
10画
骼
漢検1級
部首:⾻
16画
“骨”で始まる語句
骨
骨董
骨牌
骨折
骨董屋
骨髄
骨董品
骨肉
骨柄
骨頂