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驚駭
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きょうがい
ふりがな文庫
“
驚駭
(
きょうがい
)” の例文
私の役は彼の手紙を携えて、
驚駭
(
きょうがい
)
の表情で彼の父の所へ駈けつけて、彼の父を
説
(
と
)
き伏せなければならないのだった。之は中々大役だ。
急行十三時間
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
その発端は、一種の恐るべき快活さが交じった
驚駭
(
きょうがい
)
のみである。初めはただ
騒擾
(
そうじょう
)
であり、商店は閉ざされ、商品の陳列棚は姿を消す。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
いやが上の恐怖と
驚駭
(
きょうがい
)
は、わずかに四五間離れた処に、鳥の旦那が
真白
(
まっしろ
)
なヘルメット帽、警官の白い夏服で、
腹這
(
はらばい
)
になっている。
神鷺之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
支那で馬に
因
(
ちな
)
んで
驚駭
(
きょうがい
)
と書き『
大毘盧遮那加持経
(
だいびるしゃなかじきょう
)
』に馬心は一切処に驚怖思念すとあるなど驚き他獣の比にあらざるに由る。
十二支考:05 馬に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
我々がどんなに
驚駭
(
きょうがい
)
して、棒立ちに突っ立っていたかは、夫人よ、御身にも御想像がお付きになれるであろうと思います。
ウニデス潮流の彼方
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
▼ もっと見る
彼らに出逢ったという多くの記事には、偶然であった場合に限って、彼らの顔にもやはり
驚駭
(
きょうがい
)
の色を認めたといっている。
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
自分とソックリの姉の死像を描いた絵巻物を開いて見せられた芬子嬢は、実に
断腸
(
だんちょう
)
、
股栗
(
こりつ
)
、
驚駭
(
きょうがい
)
これを久しうした。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
オウタハイトとその近隣の諸島に関して吾々が得ている数多の報告によって見れば、文明諸国民の間にかくも大きな
驚駭
(
きょうがい
)
をひきおこしたエアリイオイ社1
人口論:01 第一篇 世界の未開国及び過去の時代における人口に対する妨げについて
(新字新仮名)
/
トマス・ロバート・マルサス
(著)
彼は、
驚駭
(
きょうがい
)
のあまり、歯の根もあわず、がたがたと
慄
(
ふる
)
えだしたが、そのとき咄々先生はからからと笑って
時限爆弾奇譚:――金博士シリーズ・8――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
ところが、
紅
(
あけ
)
に染んで
斃
(
たお
)
れたのは、長子のウォルターだったので、
驚駭
(
きょうがい
)
した主は、返す一撃で自分の心臓を貫いてしまった。次はそれから七年後で、次男ケントの自殺だった。
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
今の
世事
(
せいじ
)
の成行を目撃せしめたらば、必ず大いに
驚駭
(
きょうがい
)
して、人倫の道も断絶したる暗黒世界なりとて、痛心することならんといえども、いかんせん、この
世態
(
せいたい
)
の変は、十五年以来
徳育如何
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
矢庭
(
やにわ
)
に
驚駭
(
きょうがい
)
の声を立てたのは今しも
其処
(
そこ
)
に酒杯の盆を運んで来た田氏であった。
荘子
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
初から箕浦の挙動を見ていたフランス公使は、次第に
驚駭
(
きょうがい
)
と
畏怖
(
いふ
)
とに襲われた。
堺事件
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
怒らず働いて、生活の不安がなくなるものならば、どうして少年少女の時代から怒らず工場でよく働きつづけた今日の青年達が、弱体であり、知能が低いと保健省を
驚駭
(
きょうがい
)
させるのであろうか。
私たちの社会生物学
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
僕は
驚駭
(
きょうがい
)
のあまりに声を立てようとしたが、どうしても声が出なかった。
世界怪談名作集:13 上床
(新字新仮名)
/
フランシス・マリオン・クラウフォード
(著)
賢一郎 (
驚駭
(
きょうがい
)
して)なに見えん! 見えんことがあるものか。
父帰る
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
驚駭
(
きょうがい
)
したディーニュ市民の群衆に向かって、ジュアン湾(訳者注 ナポレオンが一八一五年三月一日エルバ島より再びフランスに上陸したる湾)
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
極度の緊張から
驚駭
(
きょうがい
)
へ、驚駭から失望へ、失望から
弛緩
(
しかん
)
へ、私は恐ろしい夢と、金を取戻した
儚
(
はかな
)
い喜びの夢を、
夢現
(
ゆめうつつ
)
の境に夢みながら、琵琶湖の
畔
(
ほとり
)
をひた走りしていた。
急行十三時間
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
一体どこの海から漂着してきたものであろうか? 実は何にも事情を知らずにこの函の表面を一目眺めるや否や、たちまち非常なる
驚駭
(
きょうがい
)
に打たれたわけなのであります。
ウニデス潮流の彼方
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
明白に描きあらわすところの、
驚駭
(
きょうがい
)
と、戦慄とを極めた大悪夢である事が、人間の肉体、
及
(
および
)
、精神の解剖的観察によって、直接、間接に推定され得る……と主張している。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
かくして売手の
驚駭
(
きょうがい
)
が終った時に価格が再び騰貴するのを防止し得たのである。
人口論:03 第三篇 人口原理より生ずる害悪を除去する目的をもってかつて社会に提案または実施された種々の制度または方策について
(新字新仮名)
/
トマス・ロバート・マルサス
(著)
誰かその長足の進歩に
驚駭
(
きょうがい
)
せざるものあらんや。
学問のすすめ
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
それこそまさしく、恐怖にとらわるることなき魂であり、
狼狽
(
ろうばい
)
の何たるかを知らない魂であった。絶望の場合に臨んでも
驚駭
(
きょうがい
)
の念をおさえ得る人であった。
レ・ミゼラブル:06 第三部 マリユス
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
さすがに一同
呀
(
あ
)
っ! と
驚駭
(
きょうがい
)
の叫びを発したが、ピッケルン島南の遭遇以来、死生の間に打ちのめさるることすでに九十六時間! 身心気力ともに
萎
(
な
)
え疲れ、感覚は麻痺し
ウニデス潮流の彼方
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
社長の顔にはさっと
驚駭
(
きょうがい
)
の色が流れたが、すぐに無言で彼女に飛びかかってきた。彼女は本能的に身を退いた。社長はすぐ迫ってきた。目は
爛々
(
らんらん
)
と輝いて、淫欲と凶暴の相が
物凄
(
ものすご
)
く
閃
(
ひら
)
めく。
五階の窓:04 合作の四
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
程経
(
ほどへ
)
てこれを発見せし実父母は
驚駭
(
きょうがい
)
措
(
お
)
くところを
識
(
し
)
らず。
押絵の奇蹟
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
最初の
驚駭
(
きょうがい
)
の動揺に次いで、墳墓のような沈黙がきた。人々はその広間の中に、何か偉大なることがなさるる時群集を襲うあの宗教的恐怖の一種を感じた。
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
署長と主任は同時に
驚駭
(
きょうがい
)
の声を上げた。
支倉事件
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
コゼットは一種の
驚駭
(
きょうがい
)
の情をもって、そのみごとな人形をながめた。その顔はなお涙にまみれていたが、その目は
曙
(
あけぼの
)
の空のように、喜悦の言い難い輝きに満ちてきた。
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
驚駭
(
きょうがい
)
と憤慨と
憎悪
(
ぞうお
)
と憤怒とがこんがらがって一つの恐ろしい高調子になって現われたのである。
レ・ミゼラブル:06 第三部 マリユス
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
デュリュットの二個連隊は
驚駭
(
きょうがい
)
して右往左往し、ドイツ槍騎兵の剣とケンプト、ベスト、バック、ライラントの各旅団の銃火との間に、あたかもはね返されてるようだった。
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
その数語に対して、彼は激しい
眩惑
(
げんわく
)
を覚えた。しばらくは、心の中に起こった感情の変化に押しつぶされたまま、
驚駭
(
きょうがい
)
の念に酔ったかのようにマリユスの手紙をながめていた。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
驚駭
(
きょうがい
)
の度が彼にはあまり大きかった。彼は口をきき得ないでぼんやり立ちつくしていた。
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
そして
驚駭
(
きょうがい
)
の後に喜びの念をいだいた。今はもはや、捜索しているもうひとりの男を、自分を救ってくれた男を、見いだすのみであって、それができればもう他に望みはなくなるわけだった。
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
今マリユスが目を通した歴史は、彼を
驚駭
(
きょうがい
)
せしめた。
レ・ミゼラブル:06 第三部 マリユス
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
世人の
驚駭
(
きょうがい
)
と
喧騒
(
けんそう
)
とを
惹起
(
じゃっき
)
した。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
“驚駭”の意味
《名詞》
驚駭(きょうがい、けいがい)
驚くこと。驚愕。
(出典:Wiktionary)
驚
常用漢字
中学
部首:⾺
22画
駭
漢検1級
部首:⾺
16画
“驚駭”で始まる語句
驚駭噴泉