トップ
>
駄菓子
>
だがし
ふりがな文庫
“
駄菓子
(
だがし
)” の例文
老猟師の家をたずねますと、ちょうどおりよく例のモンペ姿の老人が居あわせて、
駄菓子
(
だがし
)
などのならべてある店先へ出てきました。
妖怪博士
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
白は屠所の羊の歩みで、牽かれてようやく
跟
(
つ
)
いて来た。停車場前の茶屋で、
駄菓子
(
だがし
)
を買うてやったが、白は
食
(
く
)
おうともしなかった。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
筋の多いふかし
芋
(
いも
)
、麦飯の
結塊
(
むすび
)
、腹の
減
(
す
)
いた時には、富家の子を
騙
(
だま
)
して、銭を盗み出させて、二十銭の銅貨に
駄菓子
(
だがし
)
を山ほど買って食った。
ネギ一束
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
お三輪はそれを和助のそばに置いて、これは
駄菓子
(
だがし
)
のたぐいとは言いながら、いい味の品で、両親の好物であるからと言って見せたりした。
夜明け前:04 第二部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
二人
(
ふたり
)
は、
駄菓子
(
だがし
)
や、
荒物
(
あらもの
)
などを、その
小
(
ちい
)
さな
店
(
みせ
)
さきに
並
(
なら
)
べて、それによって、その
日
(
ひ
)
、その
日
(
ひ
)
を
暮
(
く
)
らしていたのです。
花と人間の話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
▼ もっと見る
駄菓子
(
だがし
)
、
草鞋
(
わらじ
)
、
糸繰
(
いとく
)
りの道具、
膏薬
(
こうやく
)
、
貝殻
(
かいがら
)
にはいった目薬、そのほか村で使うたいていの物を売っている小さな店が一軒きりしかなかったのである。
おじいさんのランプ
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
正面に
駄菓子
(
だがし
)
を
載
(
の
)
せる台があって、
縁
(
ふち
)
の
毀
(
と
)
れた菓子箱の
傍
(
そば
)
に、大きな皿がある。上に青い
布巾
(
ふきん
)
がかかっている下から、丸い
揚饅頭
(
あげまんじゅう
)
が
食
(
は
)
み出している。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
どら焼なる物は、銀座の大通りに売って居る屋台の
駄菓子
(
だがし
)
の事だが、己の
醜
(
みにく
)
い
容貌
(
ようぼう
)
が
其
(
そ
)
のどら焼に似て居ると云うので、お嬢様がお附けになった
仇名
(
あだな
)
なのである。
小僧の夢
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
村の
店屋
(
てんや
)
・
駄菓子
(
だがし
)
店、小あきない等は、或いは寡婦等を自立せしめる一便法のごとく、考えられていたかとも思われるが、その影響は存外に大きなものがあった。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
おもちゃや
駄菓子
(
だがし
)
を並べた露店、むしろの上に鶏卵や
牡丹餅
(
ぼたもち
)
や
虎杖
(
いたどり
)
やさとうきび等を並べた農婦の売店などの中に交じって蓄音機屋の店がおのずからな異彩を放っていた。
蓄音機
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
一方の腰かけのすみには、沖売ろう——船へ菓子や日用品を売り込みに来る小売り商人——の娘が、
果物
(
くだもの
)
や
駄菓子
(
だがし
)
などのはいった箱を積み上げて、いつ開こうかと待っているのであった。
海に生くる人々
(新字新仮名)
/
葉山嘉樹
(著)
やはり、
駄菓子
(
だがし
)
やおもちゃの
類
(
るい
)
に、そのほか
子供
(
こども
)
の
好
(
す
)
きそうなものを
並
(
なら
)
べていました。あや
子
(
こ
)
は、べつにそれまではなにもほしいとは
思
(
おも
)
いませんでした。
海ほおずき
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
降誕祭前一週間ほど、市役所前の広場に
歳
(
とし
)
の
市
(
いち
)
が立って、安物のおもちゃや
駄菓子
(
だがし
)
などの露店が並びましたが、いつ行って見ても不景気でお客さんはあまり無いようでした。
先生への通信
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
駄菓子
(
だがし
)
を売る古い
茅葺
(
かやぶき
)
の家、ここまで来ると、もう代々木の停留場の高い線路が見えて、新宿あたりで、ポーと電笛の鳴る音でも耳に入ると、男はその大きな体を先へのめらせて
少女病
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
下に
駄菓子
(
だがし
)
の箱が三つばかり並んで、そばに五厘銭と
文久銭
(
ぶんきゅうせん
)
が散らばっている。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
まばらに立ち並ぶ街燈、並木のあいだにチラチラ見える一軒家、その
駄菓子
(
だがし
)
屋らしい
藁葺
(
わらぶ
)
きの一軒家までたどりつくと、彼はいきなりガタピシと障子をあけて、そこの土間へのめりこんだ。
人間豹
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
“駄菓子”の解説
駄菓子(だがし)とは、茶席や贈答にも使われる高級菓子に対し、主に子供向けに製造販売される、安価な菓子のことである。
(出典:Wikipedia)
駄
常用漢字
中学
部首:⾺
14画
菓
常用漢字
中学
部首:⾋
11画
子
常用漢字
小1
部首:⼦
3画
“駄菓子”で始まる語句
駄菓子屋
駄菓子店
駄菓子箱