かちん)” の例文
旧字:
傘屋の吉だよ、れだよと少し高く言へば、嫌な子だね此樣な遲くに何を言ひに來たか、又おかちんのおねだりか、と笑つて、今あけるよ少時しばらく辛棒おしと言ひながら
わかれ道 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
小「お前さんは酒を三杯飲んだろうが、私は待ってる間におかちんを二タ切焼いて呉れたぎりだから腹がって仕様がない、もう直に戌刻よつになりますから早くきましょう」
傘屋かさやきちだよ、れだよとすこたかへば、いやなだね此樣こんおそくになにひにたか、またかちんのおねだりか、とわらつて、いまあけるよ少時しばらく辛防しんばうおしとひながら
わかれ道 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
かちんくにはらないよ、臺所だいどころ火消壺ひけしつぼからずみつてておまへ勝手かつていておべ、わたし今夜中こんやぢゆう一枚ひとつげねばならぬ、かど質屋しちや旦那だんなどのが御年始着ごねんしぎだからとてはりれば
わかれ道 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)