風説ふうせつ)” の例文
其処そこ魔所ましよぢやとたかい。時々とき/″\やまくうつてしんとすると、ころころとさいげるおと木樵きこりみゝひゞくとやら風説ふうせつするで。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
是以こゝをもつて君をはいして親王を立、国柄こくへいを一人の手ににぎらんとの密謀みつぼうあり 法皇ほふわうも是におうじ玉ふの風説ふうせつありとことばたくみざんしけり。時に 延喜帝御年十七なり。
しかしこの辺まで聞えている風説ふうせつに徴すると、その海上の往来こそかえって危険極まるものらしいのである。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
住吉すみよし町忠八店吉兵衞申上奉つり候私しむすめしまと申者三年以前より御旗本おんはたもと嘉川主税之助樣御屋敷へ腰元こしもと奉公に差出さしいだおき候處當人へ用事之あり昨年冬中より度々たび/\御屋敷へ罷出候へ共なに御取込おんとりこみの儀御座候由にて一向に御逢おんあはくださらず何共合點がてんゆかざる事と存じ居候中世間の風説ふうせつあしき儀を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
是以こゝをもつて君をはいして親王を立、国柄こくへいを一人の手ににぎらんとの密謀みつぼうあり 法皇ほふわうも是におうじ玉ふの風説ふうせつありとことばたくみざんしけり。時に 延喜帝御年十七なり。
ばくす者を敵視するなよ。おそらくそちの意志ではなく、無根むこん風説ふうせつとわしは信じておるが、柳沢吉保に頤使いしされて、諸方に奔走するなどといううわさも聞く。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)