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靜謐
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せいひつ
ふりがな文庫
“
靜謐
(
せいひつ
)” の例文
新字:
静謐
二十萬石の大々名が
改易削封
(
かいえきさくほう
)
になれば、何百何千人の難儀ばかりでない。天下
靜謐
(
せいひつ
)
の折柄、その爲にどんな騷ぎが持上がり、諸人の迷惑にならうも知れぬ——
銭形平次捕物控:062 城の絵図面
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
其
(
その
)
下
(
した
)
は
疑
(
うたがひ
)
もなき
大洞窟
(
おほほらあな
)
で、
逆浪
(
ぎやくらう
)
怒濤
(
どたう
)
が
隙間
(
すきま
)
もなく
四邊
(
しへん
)
に
打寄
(
うちよ
)
するに
拘
(
かゝは
)
らず、
洞窟
(
ほらあな
)
の
中
(
なか
)
は
極
(
きわ
)
めて
靜謐
(
せいひつ
)
な
樣子
(
やうす
)
で、
吾等
(
われら
)
の
歩
(
あゆ
)
む
毎
(
たび
)
に、
其
(
その
)
跫音
(
あしおと
)
はボーン、ボーン、と
物凄
(
ものすご
)
く
響
(
ひゞ
)
き
渡
(
わた
)
つた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
洛陽伽藍記
(
らくやうがらんき
)
に
云
(
い
)
ふ。
魏
(
ぎ
)
の
帝業
(
ていげふ
)
を
承
(
う
)
くるや、
四海
(
しかい
)
こゝに
靜謐
(
せいひつ
)
にして、
王侯
(
わうこう
)
、
公主
(
こうしゆ
)
、
外戚
(
ぐわいせき
)
、
其
(
そ
)
の
富
(
とみ
)
既
(
すで
)
に
山河
(
さんが
)
を
竭
(
つく
)
して
互
(
たがひ
)
に
華奢
(
くわしや
)
驕榮
(
けうえい
)
を
爭
(
あらそ
)
ひ、
園
(
ゑん
)
を
脩
(
をさ
)
め
宅
(
たく
)
を
造
(
つく
)
る。
豐室
(
ほうしつ
)
、
洞門
(
どうもん
)
、
連房
(
れんばう
)
、
飛閣
(
ひかく
)
。
唐模様
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「が、天下
靜謐
(
せいひつ
)
だな、今年になつてからは、ろくな
巾着切
(
きんちやくきり
)
も出て來ないよ。謀反なんかあるわけは無いし」
銭形平次捕物控:250 母娘巡礼
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「でも人助けになるぢやありませんか。大きく言へば、それ笹野の旦那がよく言ふ天下
靜謐
(
せいひつ
)
のため」
銭形平次捕物控:272 飛ぶ若衆
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
「喃、
千本
(
ちもと
)
氏、町方の御用聞などといふものは先づあんなもので御座らうな。あんなことでは、御膝元の
靜謐
(
せいひつ
)
は心もとないが、江戸の町人は人が良いから無事に濟むわけで——」
銭形平次捕物控:204 美女罪あり
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
靜謐
(
せいひつ
)
そのものですが、八五郎が時々やつて來ては、頓狂な調子で事件の匂ひを持込み、錢形平次を、靜から動に、隱者のやうな生活から、大波瀾大活躍の舞臺へと
誘
(
さそ
)
ひ込むのです。
銭形平次捕物控:330 江戸の夜光石
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「一應尤もだが、天下
靜謐
(
せいひつ
)
の折柄、無理な
詮索
(
せんさく
)
をして江戸から切支丹教徒を擧げるのは面白くない。原
主水
(
もんど
)
一味の刑死以來、久しく
血腥
(
ちなまぐさ
)
い邪宗徒の仕置が絶えてゐるのだから——」
銭形平次捕物控:135 火の呪ひ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「一向分りません。が、たつた百梃の鐵砲で
謀叛
(
むほん
)
を
企
(
たくら
)
む筈も御座いません。多分物好きな大名方の買物で御座いませう。此の儘何事も知らぬ顏に過すのが、天下
靜謐
(
せいひつ
)
のためと存じます」
銭形平次捕物控:155 仏像の膝
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「へツ、天下は
靜謐
(
せいひつ
)
ですよ、——親分におかせられても御機嫌麗はしいやうで」
銭形平次捕物控:321 橋場の人魚
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
一應天下
靜謐
(
せいひつ
)
となると、一度やつた祿が惜しくなり、難癖をつけてはそれを取り上げるのが、隱密裡の一つの政策になつて居たことは歴史を引合ひに出す迄もなくあまりに明かなことでした。
銭形平次捕物控:199 蹄の跡
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「錢形の親分が、唐紙の繕ひをしてゐるんだから、天下
靜謐
(
せいひつ
)
にきまつてゐるぢやありませんか、そんなに
暇
(
ひま
)
で/\しやうがないなら、ちよいと智惠を貸して下さいよ——ところで——と來るわけで」
銭形平次捕物控:314 美少年国
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
靜
部首:⾭
16画
謐
漢検1級
部首:⾔
17画
“靜”で始まる語句
靜
靜寂
靜歌
靜岡
靜々
靜穩
靜止
靜修庵
靜乎
靜心