霊薬れいやく)” の例文
太郎たろうは、いまさら、薬売くすりうりのくれた霊薬れいやくのききめにおどろきました。いったいあの薬売くすりうりは、どこからきて、どこへったのだろう。
薬売り (新字新仮名) / 小川未明(著)
格之助も寺でよひあかつきとにあたゝかかゆ振舞ふるまはれてからは、霊薬れいやくを服したやうに元気を恢復して、もう遅れるやうな事はない。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
彼は、むさぼるように、その二つを喰べた。それはまるで霊薬れいやくのごとくに、彼を元気づけた。彼は思わず、最後の一つを口のところへ持っていきかけたが、急にそれをやめて
空中漂流一週間 (新字新仮名) / 海野十三(著)
巌夫は道々、半紙を四つ切りにしたのに包んだ、一服の薬について、いかにそれが霊薬れいやくであるかを話してきかせてくれた。多分の誇りをもって、そうした霊薬を手に入れる苦心を繰返していった。
わたしは、ここに霊薬れいやくっています。このくすりは、千まんかいくだいて、そのなかからさがした霊薬れいやくで、どんなものにもがた貴重きちょうしなです。
木と鳥になった姉妹 (新字新仮名) / 小川未明(著)
二人ふたりは、あまりの霊薬れいやくのききめにおどろいてをみはりました。そのとき、おとこ
木と鳥になった姉妹 (新字新仮名) / 小川未明(著)
二人ふたりっているふねは、その夕焼ゆうやけのほうしてすすみました。そして、おおくの日数ひかずてから、ついにふねは、みなみこころざしたくにみなときました。おとこは、さっそく霊薬れいやくおうさまにけんじたのであります。
木と鳥になった姉妹 (新字新仮名) / 小川未明(著)
このくすりは、病気びょうきのときや、けがなどをしてうしなったときには、のむとすぐにきく霊薬れいやくでございます。たくさんはっていませんが、ここに二粒ふたつぶ三粒みつぶあります。おれいにこれをさしあげておきます。
薬売り (新字新仮名) / 小川未明(著)