トップ
>
附物
>
つきもの
ふりがな文庫
“
附物
(
つきもの
)” の例文
能楽
(
のうがく
)
には舞というものが
附物
(
つきもの
)
である。悲惨な人生を描いたものであっても、その悲惨に終った主人公が必ず(多く)舞を舞う。
俳句への道
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
「
職業
(
しやうばい
)
ではありません。
職業
(
しやうばい
)
では
迚
(
とて
)
も殺生は出来ません。料理は芸の一つで、芸には工夫とそれに
附物
(
つきもの
)
の
楽
(
たのし
)
みといふものがありますからね。」
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
その時代には、絞刑はタイバーン
★
で行われていたので、ニューゲートの外側のかの街は、その後にそこの
附物
(
つきもの
)
となった一の不名誉な醜名を、まだ受けてはいなかった。
二都物語:01 上巻
(新字新仮名)
/
チャールズ・ディケンズ
(著)
如何
(
いか
)
に
卑
(
いや
)
しうても
大事
(
だいじ
)
ない、
一思
(
ひとおも
)
ひに
死
(
し
)
ぬ
法
(
はふ
)
は
無
(
な
)
いか?……「
追放
(
つゐはう
)
」……「
追放
(
つゐはう
)
」で
殺
(
ころ
)
さるゝのは
俺
(
おれ
)
ゃ
否
(
いや
)
ぢゃ! おゝ、
御坊
(
ごばう
)
よ、
追放
(
つゐはう
)
とは
墮獄
(
だごく
)
の
輩
(
やから
)
が
用
(
もち
)
ふる
語
(
ことば
)
、
唸
(
うな
)
り
聲
(
ごゑ
)
が
附物
(
つきもの
)
。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
「相變らず大きなことばかし云つてるな。併し貧乏は昔から君の
附物
(
つきもの
)
ぢやなかつた?」
子をつれて
(旧字旧仮名)
/
葛西善蔵
(著)
▼ もっと見る
しかしこの種の軽蔑に、ある程度の不気味はいつでも
附物
(
つきもの
)
であった。ことにそういう階級に
馴
(
な
)
らされない女、しかも経験に乏しい若い女には、なおさらの事でなければならなかった。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
ま、ま、めし
飲
(
あが
)
れ、熱い
処
(
ところ
)
を。ね、
御緩
(
ごゆっく
)
り。さあ、これえ、お
焼物
(
やきもの
)
がない。ええ、間抜けな、ぬたばかり。これえ、
御酒
(
ごしゅ
)
に
尾頭
(
おかしら
)
は
附物
(
つきもの
)
だわ。ぬたばかり、いやぬたぬたとぬたった
婦
(
おんな
)
だ。
国貞えがく
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
附物
(
つきもの
)
のお前方も助かるのは、お后の思召次第だ。8955
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
博士は水つぽい
吸物
(
すひもの
)
を
啜
(
すゝ
)
りながら、江戸つ子に
附物
(
つきもの
)
の、東京以外の土地は
巴里
(
パリー
)
だらうが、天国だらうが、みんな田舎だと
見下
(
みくだ
)
したやうな調子で
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
蕪村が宵つ張なのに何の不思議もない筈だ、彼は
画家
(
ゑかき
)
であると共に、
夜更
(
よふか
)
しが
附物
(
つきもの
)
の俳諧師でもある。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
空手
(
からて
)
で物を貰ふ者に
附物
(
つきもの
)
の愛嬌笑ひを惜し気もなく小説家の
卓子
(
テエブル
)
の上にぶち撒けた。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
すると、池田氏は物を呉れる者に
附物
(
つきもの
)
の
鷹揚
(
おうやう
)
な
態度
(
ものごし
)
で、ポケツトに手を突込んだと思ふと、何か知ら
掴
(
つか
)
み出して黙つて相手の
掌面
(
てのひら
)
に載せて呉れる。——見ると、使ひ古しの郵便切手である。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
恰
(
ちやう
)
どジヨセフ・チエムバレンに
一眼鏡
(
モノクル
)
が
附物
(
つきもの
)
になつてゐるのと同じやうに。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
附
常用漢字
中学
部首:⾩
8画
物
常用漢字
小3
部首:⽜
8画
“附”で始まる語句
附
附着
附近
附添
附合
附纏
附木
附加
附人
附絡