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閨秀
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けいしゅう
ふりがな文庫
“
閨秀
(
けいしゅう
)” の例文
久保氏夫人よりえさんは、落合直文門下の
閨秀
(
けいしゅう
)
歌人として知られた方で、娘時代から鏡花先生の愛読者であった関係から親交があったのです。
泉鏡花先生のこと
(新字新仮名)
/
小村雪岱
(著)
空色の
香紫欄花
(
ジロツフレ
)
に
瑠璃草
(
ミオティス
)
で作った鳥籠の中でさえずるのは駒鳥にあらで、
水仙黄
(
ナルシス・ジョオヌ
)
の散歩服に黒
天鵞絨
(
ビロウド
)
の帯をしたる美貌の
閨秀
(
けいしゅう
)
詩人オウジエ嬢。
ノンシャラン道中記:04 南風吹かば ――モンテ・カルロの巻――
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
裂目だらけな絹の
衝立
(
ついたて
)
を照らし、画架にかかった出来かけの作品を照らし、その前にいる
閨秀
(
けいしゅう
)
画家と詩人とを照らしていた。
トニオ・クレエゲル
(新字新仮名)
/
パウル・トーマス・マン
(著)
或日一行に
伴
(
ともな
)
われて孤踏夫人なる女人の
許
(
もと
)
へ行った。これは痴川の女であって
閨秀
(
けいしゅう
)
画家であるが、三十五で二十四五に受取れる神経質な美貌であった。
小さな部屋
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
で、未来の
閨秀
(
けいしゅう
)
作家は学校から帰って来ると、机に向って文を書くというよりは、
寧
(
むし
)
ろ多く手紙を書くので、男の友達も随分多い。男文字の手紙も随分来る。
蒲団
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
▼ もっと見る
閨秀
(
けいしゅう
)
画家のセザンヌと言われた、
喜田川志津子
(
きたがわしづこ
)
さんのことを、多かれ少なかれ皆様は御存じの事と思います——あのインディアン・ブルーの勝った深い海の色
奇談クラブ〔戦後版〕:01 第四の場合
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
閨秀
(
けいしゅう
)
画家の伊藤美代乃女史は、秋田の出身であるが、その女史が小さい時、それは
晩春
(
はるさき
)
の事であった。
虎杖採り
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
「あの文金だがね、何だか見たようでいて、さっきから思出せなかったが、髑髏が言うので思出した。春頃出たんだ、『
閨秀
(
けいしゅう
)
小説』というのがある、知ってるかい。」
薄紅梅
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
この
閨秀
(
けいしゅう
)
の傑作が
綴
(
つづ
)
りだされようと誰が知ろう、それよりもまた、その文豪が、朝は風呂敷包みを背負って、自ら
多町
(
たちょう
)
の問屋まで駄菓子を買出しにゆき、
蝋燭
(
ろうそく
)
を仕入れ
樋口一葉
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
これが若い時は
閨秀
(
けいしゅう
)
詩人で鳴らした
紅蘭
(
こうらん
)
女史であった。紅蘭が無月の
洒落
(
しゃれ
)
をいっても、奥で、笑いもせずにいる
霊芝
(
れいし
)
みたいな人間は、むろん
慷慨
(
こうがい
)
詩家、
梁川星巌
(
やながわせいがん
)
なのである。
田崎草雲とその子
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼は通りかかった一人の婦人の方へ行って、握手をして、
笑顔
(
えがお
)
を見せた。それからまたもどって来た。そして、あれは激しい肉感的な小説で有名になった
閨秀
(
けいしゅう
)
作家だと説明した。
ジャン・クリストフ:07 第五巻 広場の市
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
次女はもったい振り、足の下の小さい瀬戸の火鉢に、「梅花」という
香
(
こう
)
を一つ
焚
(
く
)
べて、すうと深く呼吸して眼を細めた。古代の
閨秀
(
けいしゅう
)
作家、紫式部の心境がわかるような気がした。
ろまん灯籠
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
この
閨秀
(
けいしゅう
)
の詩人をして舌を捲かせていることはいっこう御存じなく、例の
般若
(
はんにゃ
)
の面は後生大事に小脇にかかえて、なおしきりに月に
嘯
(
うそぶ
)
きながら、更に続々となんらかの感興が
咽喉
(
のど
)
をついて出るのを
大菩薩峠:34 白雲の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
美しい
閨秀
(
けいしゅう
)
作家としての彼女は、
此
(
こ
)
の
頃
(
ごろ
)
では、外務省書記官である夫君の影を薄く思わせる程も、有名になっていた。彼女の所へは、毎日の様に未知の崇拝者達からの手紙が、幾通となくやって来た。
人間椅子
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
「英国の
閨秀
(
けいしゅう
)
作家だ。十七世紀の」
三四郎
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「白ばら」は
最初
(
はじめ
)
ての
閨秀
(
けいしゅう
)
作家号に
載
(
の
)
るし、「小町湯」や美妙との合作もつづいて発表された。
田沢稲船
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
収入満と
唸
(
うな
)
るといえども、常住の
寡慾
(
かよく
)
に
肖
(
に
)
もやらで、慈善の
慾
(
よく
)
は極り無く、貪るばかりに取込みても人に施すにはいまだ足らずと、身を
粉
(
こ
)
にし、骨を折る、
賢媛
(
けんえん
)
、
閨秀
(
けいしゅう
)
の
難有
(
ありがた
)
さよ。
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
門司の
閨秀
(
けいしゅう
)
作家田中みの子にあてたもので、表向きは上品な文句が並べてあるが、その底に小意地の悪さが浸みこんでいておもしろい。この両女史はかなり激しい競争相手であったのだろう。
胡堂百話
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
話は
閨秀
(
けいしゅう
)
作家月旦になり、その容色品評に及び、貢太郎老は
随筆 新平家
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
また……ああ惜しいかな、前記の
閨秀
(
けいしゅう
)
小説が出て世評一代を
風靡
(
ふうび
)
した、その年の末。
薄紅梅
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
当時フランス文壇に異彩を放った
閨秀
(
けいしゅう
)
作家で、ショパンよりは年上であり、その性格、肉体、趣味、ことごとくショパンと
対蹠
(
たいせき
)
的な存在であったが、ゆくりなき奇縁が、天才ショパンと結びつき
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
閨
漢検1級
部首:⾨
14画
秀
常用漢字
中学
部首:⽲
7画
“閨秀”で始まる語句
閨秀作家
閨秀作者
閨秀美人
閨秀詩人