鐵砲玉てつぱうだま)” の例文
新字:鉄砲玉
鐵砲玉てつぱうだま麥藁むぎわらかごへもれられた。與吉よきちはそれを大事相だいじさうつては時とき/″\のぞきながら、おつぎが炊事すゐじあひだ大人おとなしくしてすわつてるのであつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
紛れるともなく經つた、ある日のこと、平次の家へ鐵砲玉てつぱうだまのやうに飛込んで來たガラツ八。
たべものにけては、中華亭ちうくわていむすめはこ新栗しんぐりのきんとんから、町内ちやうない車夫しやふ内職ないしよく駄菓子店だぐわしみせ鐵砲玉てつぱうだままで、おもむきかいしないではかないかただから、おそ朝御飯あさごはん茶漬ちやづけで、さら/\。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
與吉よきちあたまをやるとき菓子くわし足下あしもとへぽたりとちる。與吉よきちあわてゝ菓子くわしひろつてはこゑてゝわらふのである。菓子くわし何時いつまでもらないやうに砂糖さたうかためたくろ鐵砲玉てつぱうだまあたへられた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
あたまからちてころ/\と鐵砲玉てつぱうだまとほころがつてくのを、たふれながらけて與吉よきち卯平うへいのむつゝりとしたかほけるのである。與吉よきちつまづいてたふれてもそのときけつしてくことがない。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)