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遠雷
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えんらい
ふりがな文庫
“
遠雷
(
えんらい
)” の例文
どこかでは既に雨が降っているのか、白く光って見あげるようにむくむくともりあがった入道雲の方向で、かすかな
遠雷
(
えんらい
)
のとどろきがして居る。
糞尿譚
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
西は明るいが、東京の空は
紺色
(
こんいろ
)
に曇って、まだごろ/\
遠雷
(
えんらい
)
が鳴って居る。
武太
(
ぶた
)
さんと
伊太
(
いた
)
さんが、
胡瓜
(
きゅうり
)
の苗を入れた大きな
塵取
(
ごみとり
)
をかゝえて、
跣足
(
はだし
)
でやって来る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
『
獅子
(
しゝ
)
の
友呼
(
ともよ
)
び!。』と
一名
(
いちめい
)
の
水兵
(
すいへい
)
は
咡
(
さゝや
)
いた。
成程
(
なるほど
)
遠雷
(
えんらい
)
の
如
(
ごと
)
き
叫聲
(
さけびごゑ
)
が
野山
(
のやま
)
に
響渡
(
ひゞきわた
)
ると、
忽
(
たちま
)
に
其處
(
そこ
)
の
森
(
もり
)
からも、
彼處
(
かしこ
)
の
岩陰
(
いはかげ
)
からも
三頭
(
さんとう
)
五頭
(
ごとう
)
と
猛獸
(
まうじう
)
は
群
(
ぐん
)
をなして
現
(
あら
)
はれて
來
(
き
)
た。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
雨乞
(
あまごい
)
の雨は、いづれ
後刻
(
ごこく
)
の事にして、其のまゝ壇を
降
(
くだ
)
つたらば無事だつたらう。
処
(
ところ
)
が、
遠雷
(
えんらい
)
の音でも聞かすか、暗転に成らなければ、舞台に
馴
(
な
)
れた女優だけに幕が切れない。
伯爵の釵
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
振り向いて見ると、彼の愛犬はまるで
狼
(
おおかみ
)
のように、背中の毛を逆立て、上唇に恐ろしい
皺
(
しわ
)
を寄せ、歯をむき出して、
喉
(
のど
)
の奥で
遠雷
(
えんらい
)
みたいな音を立てている。どうも不思議だ。
人間豹
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
▼ もっと見る
そして、
遠雷
(
えんらい
)
のような
群衆
(
ぐんしゅう
)
のどよめきが、あとしばらくのあいだ、空に
消
(
き
)
えなかった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
刻
(
こく
)
は、
草木
(
くさき
)
も
眠
(
ねむ
)
る、
一時
(
いちじ
)
と
二時
(
にじ
)
との
間
(
あひだ
)
、
談話
(
だんわ
)
暫時
(
しばし
)
途絶
(
とだ
)
えた
時
(
とき
)
、ふと、
耳
(
みゝ
)
を
澄
(
すま
)
すと、
何處
(
いづこ
)
ともなく
轟々
(
ごう/\
)
と、
恰
(
あだか
)
も
遠雷
(
えんらい
)
の
轟
(
とゞろ
)
くが
如
(
ごと
)
き
響
(
ひゞき
)
、
同時
(
どうじ
)
に
戸外
(
こぐわい
)
では、
猛犬稻妻
(
まうけんいなづま
)
がけたゝましく
吠立
(
ほえた
)
てるので
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
“遠雷”の意味
《名詞》
遠 雷 (えんらい)
遠方のかみなり。
(出典:Wiktionary)
遠
常用漢字
小2
部首:⾡
13画
雷
常用漢字
中学
部首:⾬
13画
“遠雷”で始まる語句
遠雷鳴