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身投
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みな
此の一
歩に
身のかはを
剥がれたために
可惜や、お
春と
云ふ
其の
娘は
繼母のために
手酷き
折檻を
受けて、
身投げをしたが、
其も
後の
事。
とひよつこり、ひよこり、ひよつこりと
歩行き
出す……
案山子どもの
出向くのが、
祠の
方へ、
雪枝の
来た
路の
方角に
当る。
向ふを
指して
城ヶ
沼へ
身投げに
行くのでは
無いらしい。
で、
屋根から
月が
射すやうな
訳には
行かない。
其処で、
稼ぎも
為ず
活計も
立てず、
夜毎に
沼の
番の
難行は、
極楽へ
参りたさに、
身投げを
為るも
同じ
事、と
老爺は
苦笑ひをしながら
言つた。