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身扮
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みなり
ふりがな文庫
“
身扮
(
みなり
)” の例文
小柄の三十前後、大店の若主人らしい、渋好みの
身扮
(
みなり
)
から、浅黒い引締った顔など、いかにも世馴れ、遊び馴れた心持の男前です。
銭形平次捕物控:061 雪の足跡
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
翌日の夕刻になると、羅門は、常になくいそいそとして、
黒龍紋
(
くろりゅうもん
)
の
裃
(
かみしも
)
、
袴
(
はかま
)
、
身扮
(
みなり
)
も隙なく、若年寄小笠原左近将監の邸へ出向いて行った。
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そのあたりは押し返されないほどの人混みの中へ、一人の
身扮
(
みなり
)
卑しからぬ武士が
伴
(
とも
)
をつれて割込んで来ました。
大菩薩峠:09 女子と小人の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
揃ひの
手拭
(
てぬぐひ
)
、叔母さんに達引かした
袷
(
あはせ
)
、
身扮
(
みなり
)
は氣の毒なほど粗末だつたが、きりやうは向島一帶をクワツと明るくしたお糸ですよ。
銭形平次捕物控:289 美しき人質
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
歩かされて、城下の
女
(
おんな
)
子
(
こ
)
どもにまで、この顔をありありと見覚えられては、どう
身扮
(
みなり
)
を変えても次にはすぐ
見顕
(
みあら
)
わされてしまう
上杉謙信
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
お松は船の仕事着ではなく
小綺麗
(
こぎれい
)
の
身扮
(
みなり
)
をして、船着場の茶屋に待っています。
大菩薩峠:06 間の山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
利三郎が指さしたのは、二十七八の美しい年頃、泣き濡れては居りますが、
身扮
(
みなり
)
や容貌から言ふと、唯の奉公人ではない樣子です。
銭形平次捕物控:177 生き葬ひ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
身扮
(
みなり
)
はそんなに惡くはなく、顏立も惡いほどではないのですが、お喜代の死顏の
妖
(
あや
)
しい美しさに
比
(
くら
)
べると、これは唯の女にしか過ぎず。
銭形平次捕物控:231 鍵の穴
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
林太郎と同じ寶物藏のこれは階下の
唐櫃
(
からびつ
)
の中に入れられてゐたのを救ひ出して身を
淨
(
きよ
)
めさせ、
身扮
(
みなり
)
を改めてこゝへ呼出したのです。
銭形平次捕物控:115 二階の娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
林太郎と同じ宝物蔵のこれは階下の
唐櫃
(
からびつ
)
の中に入れられていたのを救い出して身を
浄
(
きよ
)
めさせ、
身扮
(
みなり
)
を改めてここへ呼出したのです。
銭形平次捕物控:115 二階の娘
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
蒼白い顔が少し弱々しく見えますが、粗末な
身扮
(
みなり
)
に似合わぬ美しさで、存分に装わせたら、お喜多に劣らぬ
容貌
(
きりょう
)
になるでしょう。
銭形平次捕物控:145 蜘蛛の巣
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
客といふのは四十五六の立派な
仁體
(
にんてい
)
、
身扮
(
みなり
)
は地味で目立ちませんが、行屆いたたしなみで、何樣容易ならぬものを感じさせます。
銭形平次捕物控:283 からくり屋敷
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「見たことのない武家ださうで、——若くて好い男で、
身扮
(
みなり
)
も惡くなかつたが五
遍
(
へん
)
も六遍も店を覗く樣子は變だつたさうですよ」
銭形平次捕物控:156 八千両異変
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
平次も少し
面喰
(
めんくら
)
ひました。まだほんの十七八、
身扮
(
みなり
)
は貧し氣な木綿物ですが、此
界隈
(
かいわい
)
でも、あまり見かけた事のない良い
娘
(
こ
)
です。
銭形平次捕物控:091 笑い茸
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
身扮
(
みなり
)
も定吉は小気のきいた丁稚姿で、松次郎は粗末ながら武家の子らしく、短かいのを一本差して、小倉の
袴
(
はかま
)
を裾短かに穿いております。
銭形平次捕物控:244 凧の糸目
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
身扮
(
みなり
)
を改めて、
喪主
(
もしゆ
)
をつとめさせるやうに、内儀と番頭へさう言つてやれ、——文句を言ふ奴があつたら、俺が話をつけてやる。
銭形平次捕物控:247 女御用聞き
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
八五郎の
剽輕
(
へうきん
)
な調子に
誘
(
さそ
)
はれるやうに、
身扮
(
みなり
)
の
凝
(
こ
)
つた、色の淺黒い、キリリとした若いのが、少し
卑屈
(
ひくつ
)
な態度で、恐る/\入つて來ました。
銭形平次捕物控:168 詭計の豆
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
八五郎の
剽軽
(
ひょうきん
)
な調子に
誘
(
さそ
)
われるように、
身扮
(
みなり
)
の
凝
(
こ
)
った、色の浅黒い、キリリとした若いのが、少し卑屈な態度で、恐る恐る入って来ました。
銭形平次捕物控:168 詭計の豆
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
『裏店小町』と言つたほどの御粗末な
身扮
(
みなり
)
で、店番もし、使ひ走りもし、骨身を惜しまずに働いて居る癖に、その美しさは全く非凡でした。
銭形平次捕物控:289 美しき人質
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
蒼白い顏が少し弱々しく見えますが、粗末な
身扮
(
みなり
)
に似合はぬ美しさで、存分に
裝
(
よそほ
)
はせたら、お喜多に
劣
(
おと
)
らぬ
容貌
(
きりやう
)
になるでせう。
銭形平次捕物控:145 蜘蛛の巣
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
五十二三の、
確
(
しつか
)
り者らしい女でした。身だしなみも立派、
身扮
(
みなり
)
は地味ですが、折屈みや言葉づかひは、何んとなく江戸の匂ひがするのです。
銭形平次捕物控:249 富士見の塔
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
二十四五にもなるでせうか、
身扮
(
みなり
)
の整つた
瓜實
(
うりざね
)
顏で、少し無氣力ではあるが、呉服屋の手代などにある、物柔かな色男でした。
銭形平次捕物控:229 蔵の中の死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
身扮
(
みなり
)
もなか/\洒落れたもので、無駄飯を食ふ人間の淺ましい贅澤さが、死の
極印
(
ごくいん
)
を
捺
(
お
)
されてまでも、人の眉を
顰
(
ひそ
)
めさせます。
銭形平次捕物控:202 隠し念仏
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
昂然
(
かうぜん
)
として顏をあげたのは、一寸良い男の浪人者
御厩
(
おうまや
)
左門次でした。二十七八、
身扮
(
みなり
)
もそんなに惡くはなく、腕つ節も相應にありさうです。
銭形平次捕物控:111 火遁の術
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「こいつは親分だって驚くでしょう、それもザラの雌じゃねえ——若くて綺麗で、
身扮
(
みなり
)
がよくて、
小股
(
こまた
)
が切れ上がって——」
銭形平次捕物控:067 欄干の死骸
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
勘兵衞は
訂正
(
ていせい
)
してくれます。さう言へば、美しさも、
身扮
(
みなり
)
の整つて居るにも
拘
(
かゝは
)
らず、眉も齒も、娘姿に間違ひはありません。
銭形平次捕物控:047 どんど焼
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
身扮
(
みなり
)
から、身體の樣子、
鑿胝
(
のみぞこ
)
の具合を見ると、居職の——それも多分
彫物師
(
ほりものし
)
と言ふところだらう——見知人がある筈だ、其邊で當つて見な」
銭形平次捕物控:028 歎きの菩薩
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
これは三十そこ/\でせう、無造作な
身扮
(
みなり
)
と
磊落
(
らいらく
)
な物言ひが特徴で、面長な色の白い、歌舞伎役者の誰やらに似てゐると言はれた好い男です。
銭形平次捕物控:162 娘と二千両
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
萬筋
(
まんすぢ
)
の野暮な
袷
(
あはせ
)
を高々と端折つて、
淺葱
(
あさぎ
)
の股引に
素草鞋
(
すわらぢ
)
を
穿
(
は
)
いた喜助は、存分に不景氣な
身扮
(
みなり
)
のくせに、ちよいと好い男振りでもありました。
銭形平次捕物控:186 御宰籠
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
八五郎を臺所へ追ひやつた後へ、
身扮
(
みなり
)
の立派な武家が二人、御大家の御使者見たいな尤もらしい顏をして入つて來ました。
銭形平次捕物控:174 髷切り
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
八五郎を台所へ追いやった後へ、
身扮
(
みなり
)
の立派な武家が二人、御大家の御使者見たいな尤もらしい顔をして入って来ました。
銭形平次捕物控:174 髷切り
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
お夏は
僅
(
わず
)
かにホッとした様子です。若さにも美しさにも似ぬ粗末な
身扮
(
みなり
)
ですが、全身から発散する魅力は、かえって楚々として人を動かします。
銭形平次捕物控:070 二本の脇差
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
身扮
(
みなり
)
も言葉の様子も、町人かやくざでしたが、頬冠りの手拭の下に、ふくらんで居る
髷
(
まげ
)
の格好は、
野郎頭
(
やろうあたま
)
じゃありません、あれは髷節が高くて
銭形平次捕物控:239 群盗
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
身扮
(
みなり
)
に相應した堅氣の娘なら、此茶は飮まなかつたかも知れませんが、お靜は水茶屋の女で、お茶を
汲
(
く
)
むことも汲ませることも馴れて居ります。
銭形平次捕物控:001 金色の処女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
昂然
(
こうぜん
)
として顔をあげたのは、ちょっと良い男の浪人者
御厩
(
おうまや
)
左門次でした。二十七八、
身扮
(
みなり
)
もそんなに悪くはなく、腕っ節も相応にありそうです。
銭形平次捕物控:111 火遁の術
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「施米の時、姿を変えて来たのを、お前は気が付かなかったろう。
身扮
(
みなり
)
を落すと、あの人は後光が射すほど綺麗だったよ」
銭形平次捕物控:029 江戸阿呆宮
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
昨日の町人とも武家ともつかぬ
身扮
(
みなり
)
と違って、今日は
堅鬢付
(
かたびんつけ
)
でカンカンに結った
髷
(
まげ
)
も、衣服、大小のつくりも、押しも押されもせぬ武家姿です。
銭形平次捕物控:101 お秀の父
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
昨日の町人とも武家ともつかぬ
身扮
(
みなり
)
と違つて、今日は
堅鬢付
(
かたびんづけ
)
でカンカンに結つた髷も、衣服、大小のつくりも、押しも押されもせぬ武家姿です。
銭形平次捕物控:101 お秀の父
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
それに、色子や陰間に見るやうな、不潔な化粧や、不純な
媚
(
こび
)
もなく、
身扮
(
みなり
)
も思ひのほかに堅實で、武者人形にあるやうな清潔な可愛らしさです。
銭形平次捕物控:314 美少年国
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
身扮
(
みなり
)
に相応した堅気の娘なら、この茶は飲まなかったかも知れませんが、お静は水茶屋の女で、お茶を汲むことも汲ませることも馴れております。
銭形平次捕物控:001 金色の処女
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
灯先へ顏を待つて來ると、色の白い、
身扮
(
みなり
)
の小意氣な、柔和さうな若旦那型の男で、誰の目にも怪しさや不調和さは毛程も感じさせない人柄です。
銭形平次捕物控:178 水垢離
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「里言葉を使わないのが不思議なくらいでしたよ、
身扮
(
みなり
)
は町人風武家風、いろいろあるが、間違いもなく日本人で——」
銭形平次捕物控:088 不死の霊薬
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「お前に萬一の
過
(
あやま
)
ちがあつちやならねえと思つて、新し橋にかゝる前に
身扮
(
みなり
)
を變へたが、こんな弱い曲者なら、お前でも樂に扱へたかも知れない」
銭形平次捕物控:317 女辻斬
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
川から
這
(
は
)
い上がったところをやられたとしか思えませんが、
身扮
(
みなり
)
の立派な浪人者が、夜の大川へどんな目的で入ったかは見当もつかなかったのです。
銭形平次捕物控:139 父の遺書
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
洒落
(
しゃれ
)
た
身扮
(
みなり
)
をした上、役者の声色や、軽口に、物真似などを景物に、街から街と流したのですから、当時は人気のある商売だったに相違ありません。
銭形平次捕物控:026 綾吉殺し
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
兄の宗次郎というのは、三十前後の総髪、
身扮
(
みなり
)
は至って粗末ですが、見るからに智的な人物、岡崎十次郎が主人に代って来意を申入れたのに対して
奇談クラブ〔戦後版〕:12 乞食志願
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
身扮
(
みなり
)
の物々しさから見て、それは、何處かお大名へでも使ひに行つた歸りか、谷中の寺へ墓參にでも來たものでせう。
銭形平次捕物控:314 美少年国
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
三十五六の素晴しい大年増で、
身扮
(
みなり
)
の派手なこと、顏の表情の
大袈裟
(
おほげさ
)
なこと、化粧の濃いことなど、年齡にも身分にも、場所柄にも不似合の感じです。
銭形平次捕物控:154 凧の詭計
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
身扮
(
みなり
)
から、身体の様子、
鑿胝
(
のみだこ
)
の具合を見ると、
居職
(
いじょく
)
の——それもたぶん
彫物師
(
ほりものし
)
というところだろう——見知り人があるはずだ、その辺で当ってみな」
銭形平次捕物控:028 歎きの菩薩
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
日手間
(
ひでま
)
を取つて居る植木屋の母親にしては、不相應なほど良い
身扮
(
みなり
)
で、家の中の調度も思ひの外に整つて居ります。
銭形平次捕物控:214 鼬小僧の正体
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
身
常用漢字
小3
部首:⾝
7画
扮
漢検準1級
部首:⼿
7画
“身”で始まる語句
身体
身
身上
身装
身體
身動
身長
身代
身悶
身分