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角袖
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かくそで
ふりがな文庫
“
角袖
(
かくそで
)” の例文
そこで私はとりあえず、品川署へ電話をかけて二人の
角袖
(
かくそで
)
巡査にその家の見張りをさせ、ひとまず帰ってきたのでございます
暗夜の格闘
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
いつかなぞも余り男と一緒に歩いたり何かするものだから、
角
(
かど
)
の交番でね、不審にしてね、
角袖
(
かくそで
)
巡査が家の前に立っていたことがあったと云いますよ。
蒲団
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
込み合う雑沓の人々も、
角袖
(
かくそで
)
の
外套
(
がいとう
)
や
手柄
(
てがら
)
をかけた
日本髷
(
にほんまげ
)
や下町風の男女が、目立って交っていた。
母子叙情
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
骨も埋もるるばかり肥え太りて、
角袖
(
かくそで
)
着せたる
布袋
(
ほてい
)
をそのまま、
笑
(
え
)
ましげに障子の
中
(
うち
)
へ振り向きしが、話しかくる一言の末に身を
反
(
そ
)
らせて打ち笑いぬ。中なる人の影は見えず。
書記官
(新字新仮名)
/
川上眉山
(著)
遂に芸者組合より苦情出で内々その筋へ歎願密告せしかば大正五年四月の頃より時の警視総監西久保某といへる人命令を部下の
角袖
(
かくそで
)
に伝へてどしどし市中の白首を
召捕
(
めしと
)
りけり。
桑中喜語
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
小手をかざして塔の上の方を
見上
(
みあげ
)
るならば、五重塔の
素
(
す
)
ッ
天辺
(
てっぺん
)
、
緑青
(
ろくしょう
)
のふいた
相輪
(
そうりん
)
の根元に、青色の
角袖
(
かくそで
)
の半合羽を着た儒者の質流れのような人物が、左の腕を九
輪
(
りん
)
に絡みつけ
平賀源内捕物帳:萩寺の女
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
銀子の心はにわかに
崩折
(
くずお
)
れ、とぼとぼと元の道を歩いたのが、栗栖の門の前まで来ると、薄暗いところに茶の
角袖
(
かくそで
)
の
外套
(
がいとう
)
に、鳥打をかぶった親爺の
磯貝
(
いそがい
)
が立っているのに
出逢
(
であ
)
い、はっとしたが
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
渠
(
かれ
)
は
高野山
(
かうやさん
)
に
籍
(
せき
)
を
置
(
お
)
くものだといつた、
年配
(
ねんぱい
)
四十五六
(
しじふごろく
)
、
柔和
(
にうわ
)
な、
何等
(
なんら
)
の
奇
(
き
)
も
見
(
み
)
えぬ、
可懐
(
なつかし
)
い、おとなしやかな
風采
(
とりなり
)
で、
羅紗
(
らしや
)
の
角袖
(
かくそで
)
の
外套
(
ぐわいたう
)
を
着
(
き
)
て、
白
(
しろ
)
のふらんねるの
襟巻
(
えりまき
)
を
占
(
し
)
め、
土耳古形
(
とるこがた
)
の
帽
(
ばう
)
を
冠
(
かむ
)
り
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
食事がちょうど終わった時、小田刑事の部下の波多野さんが
角袖
(
かくそで
)
でふうふう言って入ってこられましたが、私たちの姿を見てちょっと
躊躇
(
ちゅうちょ
)
されました。すると小田さんは
暗夜の格闘
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
白い
雨外套
(
あまがいとう
)
を着た職工風の男が一人、
絣
(
かす
)
りの着流しに
八字髯
(
はちじひげ
)
を
生
(
はや
)
しながらその顔立はいかにも田舎臭い四十年配の男が一人、
妾
(
めかけ
)
風の
大丸髷
(
おおまるまげ
)
に
寄席
(
よせ
)
芸人とも見える
角袖
(
かくそで
)
コートの男が一人。
寺じまの記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
かれは
高野山
(
こうやさん
)
に
籍
(
せき
)
を置くものだといった、年配四十五六、
柔和
(
にゅうわ
)
ななんらの
奇
(
き
)
も見えぬ、
懐
(
なつか
)
しい、おとなしやかな
風采
(
とりなり
)
で、
羅紗
(
らしゃ
)
の
角袖
(
かくそで
)
の
外套
(
がいとう
)
を着て、白のふらんねるの
襟巻
(
えりまき
)
をしめ、
土耳古形
(
トルコがた
)
の
帽
(
ぼう
)
を
冠
(
かぶ
)
り
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
冬は
角袖
(
かくそで
)
茶色のコートを
襲
(
かさ
)
ねたりすると、実直な商人としか見えなかった。
草紅葉
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
角
常用漢字
小2
部首:⾓
7画
袖
常用漢字
中学
部首:⾐
10画
“角袖”で始まる語句
角袖外套