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襟髪
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えりがみ
ふりがな文庫
“
襟髪
(
えりがみ
)” の例文
旧字:
襟髮
が、忽ち勇気をとり直すと、片手にナイフを握りながら、片手に妙子の
襟髪
(
えりがみ
)
を
掴
(
つか
)
んで、ずるずる手もとへ引き寄せました。
アグニの神
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
と
襟髪
(
えりがみ
)
を取って沼へ
投
(
ほう
)
り込み、傘を持ってのそり/\水街道の麹屋へ帰るという、角力取という者はおおまかなもので。
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
竜之助は、やはり片手でさぐって、のたり廻る幸内の
襟髪
(
えりがみ
)
を
無造作
(
むぞうさ
)
に掴んで、部屋の隅へ突き飛ばしてしまいました。
大菩薩峠:12 伯耆の安綱の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
そして今にも
襟髪
(
えりがみ
)
を
掴
(
つか
)
むか、今にも崖から突き落とすか、そんな恐怖で息も止まりそうになっているんです。しかし僕はやっぱり窓から眼を離さない。
ある崖上の感情
(新字新仮名)
/
梶井基次郎
(著)
ガラッ八は飛んで行ったと思うと、第一番にまず大番頭の和七を、
襟髪
(
えりがみ
)
を
掴
(
つか
)
まないばかりに引っ立てて来ました。
銭形平次捕物控:110 十万両の行方
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
怒気
(
どき
)
を破裂させた造酒が、グッ! 手をのばして長庵の
襟髪
(
えりがみ
)
を掴んだ。お六が割り込んで来た。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
父はもう私の
襟髪
(
えりがみ
)
を
掴
(
つか
)
んでいた。襟髪を掴んで、さも憎々しげに部屋じゅうを引ずり廻した。叔母が父の腕にしがみついて、「およしなさいよ、お父さん、およしなさいよ」
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
すると迷亭は「イヨー
大分
(
だいぶ
)
肥
(
ふと
)
ったな、どれ」と
無作法
(
ぶさほう
)
にも吾輩の
襟髪
(
えりがみ
)
を
攫
(
つか
)
んで宙へ釣るす。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
船長ノルマンは
猿臂
(
えんぴ
)
をのばして、水夫竹見の
襟髪
(
えりがみ
)
をぐっとつかんだ。怪力だ。竹見はそのままひっさげられた。足をばたばたしたが、足の先に、どうしても
甲板
(
かんぱん
)
がさわらないのであった。
火薬船
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
縁側を降りかけていたお八代さんの
襟髪
(
えりがみ
)
を、うしろから引っ捉えましたが、そのまま仰向けに
曳
(
ひ
)
き倒して、お縁側から庭の上にズルズルと
曳
(
ひ
)
きずり
卸
(
おろ
)
すと、やはりニコニコと笑いながら
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
恰
(
まる
)
で
襟髪
(
えりがみ
)
を取つて、四つ
這
(
ばひ
)
に這はせられた恰好だ。思ふといぢらしくなる。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
さあ一緒に來いと、
襟髪
(
えりがみ
)
を取らぬばかりにして妹を引き立てようとした。
半七捕物帳:01 お文の魂
(旧字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
とうとう、追手の
猿臂
(
えんび
)
が乞食の
襟髪
(
えりがみ
)
にかかった。
恐怖王
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
万太郎はつかんでいた
襟髪
(
えりがみ
)
を放しました。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
立ちかかって、
襟髪
(
えりがみ
)
をつかもうとすると
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
あわてた宝屋、畳の上を額で泳ぐような恰好になるのを、ガラッ八は
襟髪
(
えりがみ
)
を取ってピタリと引据えました。
銭形平次捕物控:100 ガラッ八祝言
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
その長持には
蓋
(
ふた
)
がしてありません。蓋をしてない長持の中へ主膳は手を入れて、鼠を吊し出すような手つきをして、その
襟髪
(
えりがみ
)
を取って引き立てたのは幸内であります。
大菩薩峠:13 如法闇夜の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
そして私の
襟髪
(
えりがみ
)
を
掴
(
つか
)
んで、地べたをずるずると裏門のところまで引きずって行って、門の外に突き出したかと思うと、荒々しく
閂
(
かんぬき
)
を掛け、自分はさっさと庭の方へ歩いて行った。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
支度をして出ようと思う処へ人殺し、殺してしまえと云う女の
鉄切
(
かなき
)
り声ゆえ、つか/\と飛出しまして、又市は物をも言わずに、娘の腕を押えて居りました傳次の
襟髪
(
えりがみ
)
を取って引倒し
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
さあ一緒に来いと、
襟髪
(
えりがみ
)
を取らぬばかりにして妹を引立てようとした。
半七捕物帳:01 お文の魂
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
路地の中にソロソロして居る男——そいつは、御用ッ、と
襟髪
(
えりがみ
)
を掴むと、ヘタヘタと腰を抜かして、泥の中へ座り込むじゃありませんか。——大の男の腰を抜かすのを
銭形平次捕物控:242 腰抜け彌八
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
こう言いながら土方歳三の
襟髪
(
えりがみ
)
を取って突き放すと、よろよろと
彼方
(
かなた
)
に飛んで
摚
(
どう
)
と倒れます。
大菩薩峠:01 甲源一刀流の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
先生を騙りなどと
悪口雑言
(
あっこうぞうごん
)
をしては捨置かれぬ、出ろと
襟髪
(
えりがみ
)
を取って腕を
捕
(
つか
)
まえて門前へ引摺り出し、打擲して、前に申し上げた通り割下水の
溝
(
みぞ
)
へ
倒
(
さか
)
さまに
突込
(
つきこ
)
んで、踏んだり蹴たり
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
五、六歩のところに、煮えこぼれそうになっていた富山七之助が、飛付いて小僧の
襟髪
(
えりがみ
)
をギュッと。
銭形平次捕物控:246 万両分限
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
ところが、
懲
(
こ
)
りも
性
(
しょう
)
もない道庵は、また起き上って、ひょろひょろと裸松に組みついて来たのを、今度は前袋へも寄せつけず突き倒し、
襟髪
(
えりがみ
)
を取って無茶苦茶に振り廻しました。
大菩薩峠:24 流転の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
お浜の
襟髪
(
えりがみ
)
は竜之助の手に押えられて、同時にそこに引き倒されたのであります。
大菩薩峠:02 鈴鹿山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
平次は又六のしぶとさに腹を立てて、日頃にもなくその
襟髪
(
えりがみ
)
に手を掛けました。
銭形平次捕物控:086 縁結び
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
重三はキリキリと縄を絞って、お照の
襟髪
(
えりがみ
)
を取ります。
銭形平次捕物控:103 巨盗還る
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
藤堂平助は
慄
(
ふる
)
えていたお梅の
襟髪
(
えりがみ
)
を取って
大菩薩峠:03 壬生と島原の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
清吉の腕は、逃げ腰になるお万の
襟髪
(
えりがみ
)
に掛りました。
銭形平次捕物控:125 青い帯
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
襟
常用漢字
中学
部首:⾐
18画
髪
常用漢字
中学
部首:⾽
14画
“襟”で始まる語句
襟
襟飾
襟巻
襟元
襟首
襟頸
襟足
襟垢
襟度
襟脚