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船子
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ふなこ
ふりがな文庫
“
船子
(
ふなこ
)” の例文
ただ
一呑
(
ひとのみ
)
と
屏風倒
(
びょうぶだおし
)
に
頽
(
くず
)
れんずる
凄
(
すさま
)
じさに、
剛気
(
ごうき
)
の
船子
(
ふなこ
)
も
啊呀
(
あなや
)
と驚き、
腕
(
かいな
)
の力を失う
隙
(
ひま
)
に、
艫
(
へさき
)
はくるりと波に
曳
(
ひか
)
れて、船は
危
(
あやう
)
く
傾
(
かたぶ
)
きぬ。
取舵
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
□「
浪除杭
(
なみよけぐい
)
に
打付
(
ぶっつ
)
かった
溺死人
(
どざえもん
)
は娘の土左衛門で小紋の紋付を着て紫繻子の腹合せの帯を締めて居る、
好
(
い
)
い女だが
菰
(
こも
)
を
船子
(
ふなこ
)
が掛けてやった」
政談月の鏡
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
老女は顔を扇子に隠して、苦々しくこう云うと、侍は
艫
(
とも
)
の
船子
(
ふなこ
)
に、同じような口調で、はやく突き流してしまえといいつけた。
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
網元と
船子
(
ふなこ
)
という情緒的な関係は、大資本の機械的な合理性に踏みつぶされる、それは眼に見えるようだ、と隆二は思った。そして全財産を投げだしたのだ。
おごそかな渇き
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
港の燈の火の舟人を招く力がしだいに弱く一つにはまた和船の
船子
(
ふなこ
)
までが烈しい労働をいやがり、日数を切りつめて上手に仕事を取る風になったためもあろう。
雪国の春
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
▼ もっと見る
清国
(
しんこく
)
の津々浦々から
上
(
のぼ
)
って来る和船帆前船の品川前から大川口へ
碇泊
(
ていはく
)
して船頭
船子
(
ふなこ
)
をお客にしている船乗りの旅宿で、座敷の真中に
赤毛布
(
あかげっと
)
を敷いて、
欅
(
けやき
)
の
岩畳
(
がんじょう
)
な角火鉢を間に
深川女房
(新字新仮名)
/
小栗風葉
(著)
七日朝五、行方の
船子
(
ふなこ
)
村へ逃げこんだ十一人は、忠兵衞といふ百姓を脅迫して五丁田から
田舟
(
たぶね
)
を出させ、霞浦も三又近くのがれた處へ、小笠原某小舟數艘にて追駈け、鐵砲をぶちかけた。
天狗塚
(旧字旧仮名)
/
横瀬夜雨
(著)
乗組のほうは、船頭金兵衛、二番水先頭
与之助
(
よのすけ
)
、
帆係下一番
(
ほがかりしたいちばん
)
猪三八
(
いさはち
)
、同
上一番
(
かみいちばん
)
清蔵
(
せいぞう
)
、楫取
弥之助
(
やのすけ
)
、ほかに
助松
(
すけまつ
)
以下
船子
(
ふなこ
)
、
水夫
(
かこ
)
が六人。ところで、その二十三人は、ただのひとりも船にいない!
顎十郎捕物帳:13 遠島船
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
「
取舵
(
とりかじ
)
だい‼」と叫ぶと見えしが、早くも
舳
(
とも
)
の
方
(
かた
)
へ
転行
(
ころげゆ
)
き、疲れたる
船子
(
ふなこ
)
の握れる
艪
(
ろ
)
を奪いて、
金輪際
(
こんりんざい
)
より生えたるごとくに
突立
(
つった
)
ちたり。
取舵
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
八人の
船子
(
ふなこ
)
を備えたる
艀
(
はしけ
)
は
直
(
ただ
)
ちに
漕
(
こぎ
)
寄せたり。乗客は前後を争いて飛移れり。学生とその友とはやや
有
(
あ
)
りて出入口に
顕
(
あらわ
)
れたり。
取舵
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
船
常用漢字
小2
部首:⾈
11画
子
常用漢字
小1
部首:⼦
3画
“船”で始まる語句
船
船橋
船室
船首
船頭
船渠
船長
船尾
船乗
船暈