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腸
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わた
ふりがな文庫
“
腸
(
わた
)” の例文
古び赤茶け、ところどころ破れ、
腸
(
わた
)
を出している畳の上には、
蘇枋
(
すおう
)
の樽でも倒したかのように、血溜りが出来ておりました。
犬神娘
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
……あまつさえ、目の赤い
親仁
(
おやじ
)
や、
襤褸半纏
(
ぼろばんてん
)
の
漢等
(
おのこら
)
、俗に——云う
腸
(
わた
)
拾いが、出刃庖丁を斜に構えて、この
腸
(
はらわた
)
を切売する。
茸の舞姫
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ああ、二羽が二羽とも、同じ一声の悲鳴と共に、田崎の手に首をねじられ、喜助の手に毛を
毮
(
むし
)
られ、安の手に腹を割かれ、
腸
(
わた
)
を引出されて
了
(
しま
)
った。
狐
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
が、自分が獲ったのであると思うと、一匹だって、捨てる気はしない。小屋へ帰ってから、彼は小太刀で腹を
割
(
さ
)
き、
腸
(
わた
)
を去ってから、それを
日向
(
ひなた
)
へ乾す。
俊寛
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
だから、お八重さんは、勝気な血がどうしても
鎮
(
しず
)
まらないと、
生
(
いき
)
の好い
鰹
(
かつお
)
を一本買って
腸
(
わた
)
をぬかせ、丸で煮て、ちょっと
箸
(
はし
)
をつけたのを、下の者へさげたりする。
旧聞日本橋:24 鬼眼鏡と鉄屑ぶとり(続旧聞日本橋・その三)
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
▼ もっと見る
腸
(
わた
)
はまとめて、これは猫にやるのだ。彼は働いているつもりだ。忙しい。泡で白くなった
桶
(
おけ
)
の上へのしかかり、一心不乱である。が、着物を
濡
(
ぬ
)
らさないようにしている。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
そしてこの性を抜いた豪華の
空骸
(
なきがら
)
に向け、左右から両側になって取り付いている二階建の小さい長屋は、そのくすんだねばねばした感じから、
鶫
(
つぐみ
)
の
腸
(
わた
)
の塩辛のようにも思う。
食魔
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
ケルバライが川べりで
腸
(
わた
)
を抜いて洗っているのだ。が途中で立ちどまって、ぐるりを眺めた。
決闘
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
「コヽニ鮎ノ
腸
(
わた
)
モ取ットキマシタヨ」
瘋癲老人日記
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
『
海鼠
(
こ
)
の
腸
(
わた
)
がないかい。』
女が来て
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
ましてや夕方近くなると、坂下の
曲角
(
まがりかど
)
に
頬冠
(
ほおかむ
)
りをした
爺
(
おやじ
)
が
露店
(
ろてん
)
を出して魚の骨と
腸
(
はらわた
)
ばかりを並べ、さアさア
鯛
(
たい
)
の
腸
(
わた
)
が安い、鯛の腸が安い、と
皺枯声
(
しわがれごえ
)
で
怒鳴
(
どな
)
る。
監獄署の裏
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
その
腸
(
わた
)
を二升瓶に貯える、
生葱
(
なまねぎ
)
を刻んで
捏
(
こ
)
ね、七色唐辛子を
掻交
(
かきま
)
ぜ、掻交ぜ、
片襷
(
かただすき
)
で練上げた、東海の
鯤鯨
(
こんげい
)
をも吸寄すべき、恐るべき、どろどろの
膏薬
(
こうやく
)
の、おはぐろ
溝
(
どぶ
)
へ
開扉一妖帖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
気絶はさせたが処置に困り、
佇
(
たたず
)
んでいる勘助の足もと、表の備後がすっかり擦り切れ、
腸
(
わた
)
を出している畳の上に、散乱している飯や煮附け、茶碗や皿の間には、お吉が延び倒れている。
血煙天明陣
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
魚の
腹
(
はら
)
は、僕が
割
(
さ
)
く。
腸
(
わた
)
も出す。それから、
浮嚢
(
うきぶくろ
)
は
踵
(
かかと
)
でぴちんと
潰
(
つぶ
)
す。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
「そうでねえです。河岸の
腸
(
わた
)
拾いや、立ん坊は大事無いですれど、棄子が分ると引っぱられるでね、獄へ入れられる。それも可えですが、ただ、そうなると、縁の下からも、お孝の声が聞かれんですだよ。」
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「黒味がちじゃ、
鮪
(
まぐろ
)
の
腸
(
わた
)
のようなのが、たらたらたら。」
註文帳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
“腸”の意味
《名詞》
(チョウ)内臓のうち、胃と肛門の間にあり、消化と吸収を行う消化器官。
(出典:Wiktionary)
“腸”の解説
腸(ちょう、intestines)は、食物が胃で溶かされた後、その中の栄養や水分を吸収する器官。末端は肛門であり、消化された食物は便となり、排便により体外へと排出される。腸の構造は動物によって異なり、摂取する食物による違いが大きい。
(出典:Wikipedia)
腸
常用漢字
小6
部首:⾁
13画
“腸”を含む語句
腸詰
腸窒扶斯
羊腸
断腸
灌腸
末広鉄腸
腸加太児
凝血腸詰
直腸癌
羊腸折
腸綿
海鼠腸
浣腸
鉄腸
滋養浣腸
腓腸
盲腸炎
腸結核
腸抜
心腸
...