“鉄腸”の読み方と例文
読み方割合
てっちょう100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
末広君の家は旧宇和島藩の士族で、父の名は重恭しげやす鉄腸てっちょうと号し、明治初年の志士であり政客であり同時に文筆をもって世に知られた人である。
工学博士末広恭二君 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
儂思うてここに至れば、血涙けつるい淋漓りんり鉄腸てっちょう寸断すんだん石心せきしん分裂ぶんれつの思い、愛国の情、うたた切なるを覚ゆ。
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
その後ろ姿も見、また秀吉の営をも上に仰ぎながら官兵衛ほどな武士の鉄腸てっちょうも、掻きむしられる思いがした。叱って追い返した郎党はともあれ、秀吉の寂寥せきりょうを考えると胸がいたむ。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)