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らしょうもん
ふりがな文庫
“
羅生門
(
らしょうもん
)” の例文
こんどは
京都
(
きょうと
)
の
羅生門
(
らしょうもん
)
に
毎晩
(
まいばん
)
鬼
(
おに
)
が出るといううわさが
立
(
た
)
ちました。なんでも
通
(
とお
)
りかかるものをつかまえては
食
(
た
)
べるという
評判
(
ひょうばん
)
でした。
羅生門
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
なんでも幼い時に一度、この
羅生門
(
らしょうもん
)
のような、大きな
丹塗
(
にぬ
)
りの門の下を、たれかに抱くか、負われかして、通ったという記憶がある。
偸盗
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
ゆっくり、手をのばして、城太郎の襟がみをつかむと、城太郎は、
羅生門
(
らしょうもん
)
の綱(渡辺綱のこと)が鬼の腕に耐えるように踏んばって
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
渡辺綱が
羅生門
(
らしょうもん
)
の鬼退治に出て行ったあとを見送って、平井ノ
保昌
(
やすまさ
)
や坂田ノ
金時
(
きんとき
)
らが「綱の奴め、首尾よく鬼を退治して来るだろうか」
半七捕物帳:48 ズウフラ怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「あの女は少し綺麗すぎましたよ、それに持ちかけようが一通りじゃねえ。あんなのは
羅生門
(
らしょうもん
)
河岸にも大根畑にもいませんよ」
銭形平次捕物控:035 傀儡名臣
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
羅生門
(
らしょうもん
)
と云う芝居を見ると、頭に花を戴いた
大原女
(
おはらめ
)
が、わたしは一条大宮から
八瀬
(
やせ
)
へ帰るものでござりますると云う処があったが、遠い昔
田舎がえり
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
鬼の出る
羅生門
(
らしょうもん
)
に、鬼が来ずなってから、門もいつの代にか取り
毀
(
こぼ
)
たれた。
綱
(
つな
)
が
捥
(
も
)
ぎとった腕の
行末
(
ゆくえ
)
は誰にも分からぬ。ただ昔しながらの
春雨
(
はるさめ
)
が降る。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「よッ。やけに古風なせりふぬかしゃがるぞ。
羅生門
(
らしょうもん
)
から鬼の使者でも来やがったのかな」
右門捕物帖:18 明月一夜騒動
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
「なに、手はずに変わりがあるものかね。集まるのは
羅生門
(
らしょうもん
)
、刻限は
亥
(
い
)
の
上刻
(
じょうこく
)
——みんな昔から、きまっているとおりさ。」
偸盗
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
真
(
ま
)
っ
暗
(
くら
)
な中を
雨
(
あめ
)
にぬれながら、
綱
(
つな
)
は
羅生門
(
らしょうもん
)
の
前
(
まえ
)
に
来
(
き
)
ました。そして
門
(
もん
)
の
前
(
まえ
)
を行ったり
戻
(
もど
)
ったり、しばらくの
間
(
あいだ
)
鬼
(
おに
)
の出てくるのを
待
(
ま
)
っていました。
羅生門
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
おめえみたいな
容貌
(
きりょう
)
よしが、そんな……誰が見たって、
事情
(
わけ
)
のありそうな、ぼんやり顔でうろうろ歩いていてみな、今の都には、
羅生門
(
らしょうもん
)
や
大江山
(
おおえやま
)
はないが、そのかわり
宮本武蔵:04 火の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
しかしその間も
阿濃
(
あこぎ
)
だけは、安らかな微笑を浮かべながら、
羅生門
(
らしょうもん
)
の楼上にたたずんで、遠くの月の出をながめている。
偸盗
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
きょうの
午
(
ひる
)
ごろ、洛内洛外の境、
羅生門
(
らしょうもん
)
の守りについていた
検非違使
(
けびいし
)
の手の者と、佐藤義清の使いの男とが、
喧嘩
(
けんか
)
して、義清の召使は、
拉致
(
らち
)
されて行ったということを——たった今、耳にしたのだ。
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そのとたん
綱
(
つな
)
はどさりと
羅生門
(
らしょうもん
)
の
屋根
(
やね
)
の上に
落
(
お
)
とされました。
羅生門
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
一寸法師
(
いっすんぼうし
)
の話に出てくる鬼も一身の危険を顧みず、
物詣
(
ものもう
)
での姫君に見とれていたらしい。なるほど
大江山
(
おおえやま
)
の
酒顛童子
(
しゅてんどうじ
)
や
羅生門
(
らしょうもん
)
の
茨木童子
(
いばらぎどうじ
)
は
稀代
(
きだい
)
の悪人のように思われている。
桃太郎
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
万吉はひやりとして、その女の手を
羅生門
(
らしょうもん
)
の鬼かとも強く感じた。
鳴門秘帖:02 江戸の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そこに大きな
焚火
(
たきび
)
をしてかたまっている人間たちは、みな、
羅生門
(
らしょうもん
)
の巣を追い出されてきたかのごとき
異装
(
いそう
)
怪異
(
かいい
)
な男どもばかりであって、この寒い
吹
(
ふ
)
き
研
(
と
)
がれた冬の月の下に、野の枯草を積みあげて
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
一人の
下人
(
げにん
)
が、
羅生門
(
らしょうもん
)
の下で雨やみを待っていた。
羅生門
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
羅
常用漢字
中学
部首:⽹
19画
生
常用漢字
小1
部首:⽣
5画
門
常用漢字
小2
部首:⾨
8画
“羅生門”で始まる語句
羅生門河岸