綿銘仙めんめいせん)” の例文
せ姿のめんやうすご味を帯びて、唯口許くちもとにいひ難き愛敬あいきょうあり、綿銘仙めんめいせんしまがらこまかきあわせ木綿もめんがすりの羽織は着たれどうらは定めし甲斐絹かいきなるべくや
樋口一葉 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
しいをんな服粧みなりるいなど哄然どつわるはれる、おもへば綿銘仙めんめいせんいとりしにいろめたるむらさきめりんすのはゞせまおび、八ゑんどりの等外とうぐわいつまとしてはれより以上いじやうよそほはるべきならねども
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「ふ、ふ、ふ、お前には綿銘仙めんめいせんの羽織か、双子ふたごの綿入あたりが相当しているよ、どこのおたんちんが、こんなゾロリとしたお仕着しきせを、ほかならぬ金公にかぶせてやる奴があるものか」
大菩薩峠:26 めいろの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
これをば結び髪に結ひかへさせて綿銘仙めんめいせんの半天にたすきがけの水仕業みづしわざさする事いかにして忍ばるべき、太郎といふ子もあるものなり、一端の怒りに百年の運を取はづして、人には笑はれものとなり
十三夜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
これをばむすがみひかへさせて綿銘仙めんめいせん半天はんてんたすきがけの水仕業みづしわざさすることいかにしてしのばるべき、太郎たらうといふもあるものなり、一たんいかりに百ねんうんとりはづして、ひとにはわらはれものとなり
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)