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積薪
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せきしん
積薪私に
怪む、はてな、
此家、
納戸には
宵から
燈も
點けず、わけて
二人の
女、
別々の
室に
寢た
筈を、
何事ぞと
耳を
澄ます。
姑微笑みて、
時に
起きて
座に
跪坐たる
婦を
顧みて
曰ふ、お
前教へてお
上げと。
婦、
櫛卷にして
端坐して、
即ち
攻守奪救防殺の
法を
示す。
積薪習ひ
得て、
將た
天が
下に
冠たり。
恁くて
互に
其の
間に
考案する
隙ありき。さすがに
斯道の
達人とて、
積薪は
耳を
澄して、
密かに
其の
戰を
聞居たり。
時四更に
至りて、
姑の
曰く、お
前、おまけだね、
勝つたが
九目だけと。